■野趣あふれる佇まいの「竜宮洞穴」

 富岳風穴と鳴沢氷穴から2kmほどの距離にある竜宮洞穴は、観光化されておらず自然の姿が残る洞穴。崩落が激しく内部へ進むことはできないが、間口は相当な大きさで、近づくと下からたっぷりと冷気が上がってくる。下りた先には富士講の祠がひっそりと祀られていて、見上げると苔むした溶岩洞穴の先に木々が広がる、贅沢な景色が楽しめる。

 県道710号線から林道へ入り、案内板のあるところで駐車して10分ほど林の中を歩いて行ける。

富士講の巡礼霊場でもある竜宮洞穴
最下部から見上げると溶岩台地の荒々しさを感じることができる
竜宮洞穴の総延長は約60mと、溶岩洞穴の規模としては小さいほうだという

■洞穴や樹海散策とあわせて立ち寄りたい! 周辺の観光スポット

 周辺の富士河口湖町や鳴沢村は、グルメやショッピング施設が充実している一大観光エリア。裾野まで広がる富士山の絶景を見ながら、カフェやマルシェでゆっくり過ごすのもいいだろう。洞穴や樹海散策と一緒に立ち寄れるスポットをいくつかあげるので、出掛ける際の参考にしてほしい。

■「旅の駅 kawaguchiko base」は、休憩やお土産選びに最適

 地元の食材や特産品など2000品目が並ぶマーケットをはじめ、テラスが心地よい創作レストラン、ワインセラー、テイクアウトできるグルメやスイーツなど、地域発の商品が充実していて、休憩やお土産選びにぴったりなリゾートタウン。2022年にOPENした約4000坪の敷地を誇る新商業施設。

「旅の駅 kawaguchiko base」レストランメニューの一例。(左奥から時計回りに)甲州牛ローストビーフ丼、まぐろ富士山丼、香る桃と生ハムの冷製ほうとう(季節によってメニューは異なります)

●「旅の駅 kawaguchiko base」 https://www.kawaguchikobase.com/

■県内ショップが集うガーデン「富士大石 ハナテラス」

 富士山と花が望めるエリアとして人気の大石地区にある、石畳と白壁が美しいナチュラルガーデン。山梨県内から出店しているスイーツや和雑貨、工芸品などの、オリジナルショップめぐりと、草花に囲まれたウォーキングに癒される。今回立ち寄ったお店にはTVや芸能人の色紙がたくさん飾られていた。

SNS映えも狙えるスポット「富士大石 ハナテラス」

●「富士大石 ハナテラス」 https://www.fujioishihanaterasu.com/

■「富士眺望の湯 ゆらり」絶景風呂がおすすめ!

 その名の通り、富士山の眺望が素晴らしい絶景風呂「霊峰露天風呂」や「パノラマ風呂」など、16種類の湯舟を備えた日帰り温泉施設。ミネラル分豊富な天然温泉と食事、ボディリフレッシュでリラックスできる。

「富士眺望の湯 ゆらり」パノラマ風呂(男湯)「写真提供:富士観光開発株式会社」

●「富士眺望の湯 ゆらり」 https://www.fuji-yurari.jp/

■富士山の理解を深める「山梨県富士山科学研究所」

 富士山について多様な角度から研究を行い、情報と成果が蓄積されている施設。歴史と防災、自然環境、教育プログラムなどを通した啓発活動に取り組んでいる。サイエンスラボの標本を見るだけでも楽しいので、散策前後に立ち寄るのもいいだろう。

「山梨県富士山科学研究所」平成26年に「山梨県環境科学研究所」から改められ、富士山を重点的に研究する機関として整備された

●「山梨県富士山科学研究所」 https://www.mfri.pref.yamanashi.jp/

 

 青木ヶ原樹海を中心に富士山麓の北西部を紹介した。梅雨明け早々の取材日は暑く、天然の冷蔵庫ともいわれる洞穴は絶好の納涼スポットだった。また、春や秋には多彩な動植物が見られるとのこと。季節問わず貴重で豊かな自然と観光を目当てに、一度足を向けてみてはいかがだろうか。

 

■MAP 青木ヶ原樹海(山梨県南都留郡富士河口湖町鳴沢)