梅雨が明け、世間はすっかり夏休みムード。酷暑を逃れ、山岳エリアの渓流や管理釣り場で楽しんでいる釣り好きの方々も多いことでしょう。

 筆者も子どもの頃から、そんな渓流釣りファンの末席を汚し続けさせていただいているひとり。釣った魚はリリースすることもあれば、キャンプ場や沢に泊まるときは、大きいものを1、2匹キープして夕食にいただくこともあります。

 昔は「焚き火で遠火でじっくり塩焼きにするだけでうまい!」と信じていましたが、大人になるとそればかりでもないことがじわじわとわかってきました。川魚に向く、しかも山岳渓流でだからできるおいしい調理法を試してきたのでレポートします。

■焚き火で塩焼き=最高とは言い切れない

釣って楽しいサイズと、食べておいしいサイズはちょっと違う

 「自分で釣った魚はおいしい」

 「外で食べればなんでもおいしい」

 などと、まことしやかに言われておりますが、果たして本当にそうでしょうか。

 私の周りの釣り師たちは、川の魚を塩焼きにするなら25cmくらいまでがおいしいと口を揃えます。それ以上のサイズになると、釣り味は良いものの、どうしても身がパサパサして大味になってしまうと言うのです。管理釣り場で釣れる渓流魚も、釣り味を重視して大きく育てることもあり、たしかにシンプルに塩焼きで食べるとあまりおいしいイメージはありません。