日本百名山の一つとして多くの登山者で賑わう北海道十勝連峰の十勝岳(2,077m)は、活発な噴気があがる活火山。過去周期的に噴火を繰り返し、今年は前回の噴火から35年目。次の噴火はいつ起きてもおかしくないタイミングに入っている。そんな山に登るならば心得ておくべき、最低限の準備を確認しておきたい。

■日本には111の活火山がある

晴れた日には多くの登山者で賑わう十勝岳の山頂

 現在、日本で活火山とされている山の数は111。北海道には北方領土を含めて31の活火山があり、いくつかの山は周期的に噴火を繰り返している。その中でも十勝岳の噴火周期は比較的短く、過去35〜40年の周期で噴火を繰り返している。前回の噴火は1988年12月、今年で35年目となり、次の噴火に対して警戒を強めなければならない時期に入っている。

 百名山のひとつとして登山者に人気の山だが、登山にあたっては細心の注意と最低限の準備を怠らないようにしておきたい。

■活火山への登山の準備

十勝岳の登山口となる美瑛町の望岳台から見た十勝岳

 通常の登山であれば、準備と言えば持って行く装備、ルートの確認、天気予報のチェック、そして入山届といったところだろう。しかし、行き先が活火山であれば、もう少し入念な準備が必要になってくる。

 まず、気象庁が発表する噴火警戒レベルは常に確認しておきたい。これは計画段階だけでなく、出発直前にも確認するようにしたい。装備に関してはヘルメットの着用をお勧めする。大きな噴石から完璧に身を守ることはできないかもしれないが、小さな噴石や慌てて避難をする際の転倒などから頭を守る効果は十分にある。口元を覆う、タオルやバフのようなものも持っておきたい。