6~7月は全国的に梅雨の時期。登山を計画した当日に雨が降ることもあるだろう。また、山の麓は晴れていても、頂上に近づくにつれて天候が悪くなるということもある。雨が降っているなかでも登山を決行する人はいるかもしれないが、晴天時と比べて雨天時の登山は事故や遭難などの危険性が高まる。今回は、雨天時の登山におけるリスクと、登山を中止にすべきかの判断基準となる気象条件について解説する。

■雨天登山における3つのリスク

秋田駒ヶ岳・阿弥陀池。霧で先が見えづらい(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 雨天登山における主なリスクは以下の3つだ。

1. 滑って転倒してケガをする
2. 低体温症になる
3. 視界不良で道に迷う

 雨で地面が濡れると滑りやすくなる。濡れた岩場や木の根などは特に滑りやすく、転んでケガをしてしまうこともある。

 また、悪天候により体が濡れて冷えてしまうと、低体温症になる場合がある。雨で体が濡れると体温が急激に下がるので注意が必要だ。低体温症になると全身が震える。さらに体温が下がると、錯乱状態になったり、動けなくなったりするので危険だ。

 雨天時は雨や霧で視界が悪くなるため、登山道で標識の見落としや不意に登山道を外れてしまい、道に迷うケースも出てくる。晴天時であれば、山頂や稜線などの開けた場所で景色を楽しめるが、雨天時は何も見えないので、眺望を楽しむこともできない。