桜前線が日本列島を駆け抜けると、いよいよ春本番。色々な花が咲き始めるなか、暖かくなったかと思ったら、急に寒い日が現われるなど、天気の変化が大きくなっている。不安定な天気が続くが、そういう時だからこそ見られる風景もある。

 今年は、3月に入ってから記録的な暖かさが続いた。県内でもスキー場の積雪が急激に減ったり、長野市や松本のサクラの開花が統計史上最も早い記録となったりと、「暖かさ」が大きな話題になった。

 このまま春本番となるのかと思いきや、4月に入って気温の変化が大きくなり、「寒の戻り」となった日も。長野では、4月11日に25.7度と夏日になったが、17日と18日は最高気温が10度くらいと肌寒い一日になった。

 18日は雨も降り、標高の高い場所では雪となった。筆者の住む長野県佐久市からも、真新しい雪を冠った浅間山や八ヶ岳が見られ、少し盛りを過ぎたものの、桜や桃といった春の花々と共演する、珍しい風景が見られた。

 さて、皆さんが気になるのは、この先のゴールデンウィークにかけての天気だろう。この先もしばらくは天気・気温ともに周期的に変化し、その幅も大きくなりそうだ。汗ばむ陽気は20日にピークを迎えたあといったん収まり、25日と26日にはぐっと気温が下がって「寒の戻り」に。天気も崩れるので、標高が高い山ではまた雪景色が見られる可能性もある。

 春は、暖気と寒気がせめぎ合う季節だ。このため、天候の変化が激しく、低気圧が急発達しやすい季節でもある。

 登山でも、日によって暑かったり寒かったり、突然の降雪があったり。山がある地域や標高などによって状況も違うので、山選びが難しい季節かもしれない。筆者も、「もう雪はないだろう」と思って出かけた山が、登山道にしっかり雪が残っていたという経験がある。状況によっては途中で引き返す覚悟で入山し、ズブズブ残雪に埋まりながら歩いた思い出がある(笑)。

 そんな春だけれども(だからこそ?)、変化に富んだ景色が見られるのが魅力でもある。日々の天気予報を見ながら、自分の住む地域ならではの特別な景色を探してみよう。