■使ってわかったデメリット

 一方、使っていると思っていたよりも不便に感じることも出てきた。購入当初には気づけなかったデメリットの部分も確認してみてほしい。

●デッドスペースが多い

 一見広そうに見えるワンポールテントだが、中の使えるスペースは思いのほか狭い。テント内の端はほぼ使えないため、床面積に比べて実際に使える面積はひと回りほど小さくなる。

結露が発生し、テントに触れていた荷物が濡れてしまった(撮影:村澤彩代)

 空いているデッドスペースに荷物を置いておくと、テントの結露で濡れることもある。結局、使い道のない無駄なスペースができてしまっている。

 また、形状が三角形のため、中央部は天井が高いが、外から見た感じほど中は広く感じられず、圧迫感さえ感じる。テント内の端にくるほど天井が低くなり、中腰にならなくてはいけない場所も多い。

テントの真ん中にポールがあると、テーブルなど大きいものを置くときに不便(撮影:村澤彩代)

 最も天井の高い中央部分にはポールがあるため、テーブルなどは置きにくい。子どもが小さなうちは広く使えると思うが、ある程度子どもが大きくなった家族では窮屈に感じるだろう。

●地面が悪いと固定しずらい

ペグ打ちが多い分、地面が硬い場所は重労働(撮影:村澤彩代)

 ワンポールテントはその名の通り1つの柱で支えているため、それだけでは自立しない。周りにペグを打ってガイドロープを固定することで安定するが、ペグが打ちにくい地面の場合は設営が大変。

 また、砂地などのペグが打てない場所や、地面が柔らか過ぎるところではそもそも設営することもできない。逆にペグが刺さらないような硬い地面でも使えず、庭などの敷地内でおうちキャンプをしようとしても地面がタイルやコンクリートなどの場合は設営ができない。重りを使ってもよいが、よほど重たいものでなければバランスを失い崩れてしまうだろう。

●長いガイドラインやペグが多く危ない

テントの周り360度にガイドラインがあり危険(撮影:村澤彩代)

 ファミリーキャンプで使う上で一番失敗したと思ったのは、ガイドラインの長さと多さ。我が家のテントは8角形でテントを固定するペグ8本に加え、8つのガイドラインを張る必要がある。合計16本のペグを打つことになり、それだけ足をひっかけてしまう危険が多い。

 筆者の子どもたちは、このペグやガイドラインに引っ掛かり何度も転倒した。テント周りに危険が多いのは、ファミリーにとっては大きなデメリットだ。

暗くなるとガイドラインやペグは見えにくくなるので、蓄光や反射式ガイドロープに変更(撮影:村澤彩代)

 筆者はよく動く日中はガイドラインをせずに、夕食後や寝る前に引くようにしている。また、蓄光性のあるガイドロープを使用したり、小型ライトをつけるなどの対策も行っている。

 テントの設営にガイドラインは必要不可欠だが、できるだけ少ないもののほうが、危険回避につながるだろう。