登山で使う軽量クッカーは、アルミニウムやチタン、ステンレスなどさまざまな素材でできており、購入する際、迷っている人も多いのではないだろうか。

 本記事では、登山ショップ店員の筆者が、それぞれの素材のメリット・デメリットをクッカーの素材別の特徴や、使用中の注意点などと共に紹介する。

■アルミニウムクッカーのメリット・デメリット

アルミは熱伝導率に優れ、調理しやすい(撮影:おかだあきほ

 アルミのクッカーは軽量かつ安価なのが特徴。軽量クッカーの中で最も多く使われている素材で、テフロンを用いてこびりつきにくく加工されているものも多い。また、熱伝導率が高く、気温が低い高山でも素早く調理できるメリットもある。

 一方で、耐久性はあまり高くなく、落としてヘコんだり、金属フォークやヘラを使うと傷つくリスクもある。とても軽いため、風が強い日や稜線上で調理する際は、クッカーが飛んだり倒れないよう注意が必要だ。

■チタンクッカーのメリット・デメリット

チタンクッカーを火にかけると、チタンブルーと呼ばれる青色に変化する(撮影:おかだあきほ

 チタンクッカーは軽く、それでいて耐久性は鋼に匹敵するほど高い。アルミやステンレスよりも熱が伝わりにくいため、調理後すぐにクッカーに安全に口をつけられる。

 火にかけると「チタンブルー」と呼ばれる独特の青色に変化するのがチタンクッカーの醍醐味で、それを楽しみにチタンクッカーを使う人も多い。

 一方、アルミやステンレスよりも一般的に値段は高い。熱伝導率が低いため、焼きムラが出てしまうことがあり、チャーハンやステーキなどの調理はやや難しいので要注意。