社会現象にもなったアニメ『鬼滅の刃』。登場するキャラクター「胡蝶しのぶ」のモチーフとなった蝶が実在すると聞いて調べてみました。

 「アサギマダラ」という種類で、2,000km以上も旅をするらしい! 福島県にあるスキー場「グランデコリゾート」で“マーキング調査”ができる観察会があるとのことで、夏休みの旅行に出かけてきました。

■「アサギマダラ」は、アニメ『鬼滅の刃』のキャラクター胡蝶しのぶのモデル!

胡蝶しのぶのモデルと言われる「アサギマダラ」

 今回のお目当て「アサギマダラ」はアゲハ蝶ほどの大きさで、黒と褐色の模様に浅葱色(青緑色)でまだら紋様の羽を持っています。羽の柄が名前の由来です。調査で国境や海を渡ることもできる唯一の蝶だとわかりました。春と秋には、1,000~2,000kmもの旅をするのです。

 「アサギマダラ」はヨツバヒヨドリの花の蜜が好物です。実はこの蜜にはアルカロイドという毒が含まれていて、体内に取り込むことで外敵から身を守るといわれています。軽やかに長距離を飛び、美しい姿を持ちながら自ら毒を取り込んでいる、まさしく鬼滅の刃の胡蝶しのぶとの共通点だと言えます。あらためて、アニメの中で蝶屋敷で飛んでいるチョウも、アサギマダラだったと気付くのでした。

 実際に見てみたいと思っていたところ、福島県のグランデコリゾートで観察会があると知りました。7月下旬から9月上旬ごろまでデコ平に滞在し、初秋より南に向けて飛び立つそうです。多いときには数え切れないほどたくさんのアサギマダラを見ることができるそうです。夏休みの思い出作りにもいいかと思い、福島旅行を計画しました。

■マーキングしたチョウが台湾で見つかる! 期間限定の観察会とは

虫取り網を借りてグランデコの「アサギマダラ」観察会へ

 グランデコリゾートでは8月6日~14日までの毎日、アサギマダラの観察会を行なっているとのことで参加しました。9時15分までに受付し、参加費500円を払うと記録紙、虫取り網の貸し出し、記念品の缶バッチのガチャガチャ、ドリンク無料券をいただきます。

 裏磐梯ロープウェイに乗った山頂で、アサギマダラの驚くべき生態の説明とマーキングの方法を教えてもらい、スタッフさんの助言のもと開始です。

 観察会エリアのブナの小径沿いにヨツバヒヨドリがたくさん咲いています。さっそく姿を発見することができました!

どこでいつ発見されたかを羽にマーキング

 一度逃げられてしまいましたが、次は優しく捕まえることができました。教えてもらった通りにマーキングし、解放します。最も遠くまで飛んだ記録は、2,000km以上も離れた台湾だそうです。「私たちが見つけた蝶は、どこまで飛んでいくのだろう」と考えるとワクワクしました。

 マーキングした蝶はグランデコのホームページで管理され、発見の連絡があれば記録が更新されます。大体2ヶ月ほど経過した頃から発見の連絡があるそうです。これまでの飛来地にも観測団体があるそうで、マーキングしたことをインスタにあげるとコメントしてくださり、より楽しみになりました。