8月頭、快晴。この日に選んだキャンプ場は、甲府盆地の山の斜面にあった。夜景がきれいという噂に惹かれて来たのだが、この日の甲府地方は猛暑に見舞われた。最高気温は全国でもっとも高い39.5℃を記録。車のメーター内に表示される外気温度計は、一時45℃を示した。何それ? 訳がわからん。

 まずはタープを張って日陰を確保しようとするも、頭がクラクラして作業が進まない。いつもの倍の時間を掛けてなんとか張り終え、その下にテントを張ったところでくたばった。逃げるように温泉施設に向かい、汗を流して、冷房の効いた休憩室でだらだら過ごす。夕方4時を過ぎてからキャンプ場に戻ったけれど、まだ暑さは去っておらず、料理をする気がまったく起こらない。

 だがしかし! こんな日のために用意した“CAN”Pご飯がある。沖縄県の石垣島のサバ缶料理「からそば」だ。加熱工程は一切なし、調理道具はビニール袋1枚のみという、究極のズボラ飯であります。

■“空っぽ”が料理名の由来

用意する材料はサバ缶と沖縄そば

 からそばの名の由来は、具が入っていない、もしくは汁がないという意味の「空っぽ」に由来するらしい。沖縄県のなかでも基本的には石垣島だけで食べられている、まさにローカル食だ。

 必要な材料はサバ缶(みそ味かしょう油味)と沖縄そばの2つだけ。沖縄そばは、産地や麺の太さなどで種類が分かれるけど、あらかじめ茹でてあるタイプならどれでも良し。今回はサン食品の「沖縄そばL麺ソフト」(1食200g)をチョイスした。銀座にある沖縄のアンテナショップ「わしたショップ」で買ったものだ。

■10年ぶりに復活した宮城県のサバ缶

サバ缶を開けておき、沖縄そばはビニール袋に移す。これだけで準備完了

 からそばに使うサバ缶は、石垣島ではみそ煮タイプが基本だった。でも今回は、あえて違う味付けのサバ缶を持ってきた。木の屋石巻水産の「金華さば醤油煮」であります。

 同社は宮城県にあり、東日本大震災で壊滅的な被害を受けたメーカーの1社だ。この「金華さば醤油煮」も、震災の後はしばらく製造が止まっていたが、去年10年ぶりに復活した缶詰。原料の金華さば(宮城のブランドサバ)は、水揚げされた当日に鮮魚のまま使うから、サバ特有の臭みがない。砂糖としょう油が織りなすナチュラルな味付けで、味が濃くない点が気に入っている。

 そんなことを考えているうちに、腹が減ってきた。サバ缶を開け、沖縄そばをビニール袋に移す。ジッパー付きの袋を使うと、後の作業が楽なのでオススメだ。なお、写真では皿を敷いているが、食器として使うわけではなく、サバ缶の汁をテーブルにこぼさないように置いただけであります。