筆者は釣りとソロキャンプが生きがいのアウトドア愛好家だ。釣り歴は30年以上、ソロキャンプ歴は4年目を数える。年に数回、私が愛する2つの趣味を同時に楽しもうと考えて、「釣りキャンプ」なるものにチャレンジするのだが、驚くほどに釣果に恵まれず、悔しい思いが続いている。

 本記事は、このような筆者の釣りキャンプの失敗体験と、そこからの個人的な学びをまとめたものである。

 この遊びに憧れる釣り好きソロキャンパーはきっと多いことだろう。筆者の苦い経験が、あなたの釣りキャンプチャレンジの参考になれば幸いである。

■失敗談1. どこで何が釣れるのか不明なことが多く、釣果に恵まれない・・・

鹿児島県の一級釣り場に面した某有名キャンプ場にて(写真:るあらび)

 釣りキャンプのキャンプ場選びについては、当然であるが、釣り場が近い場所を選ぶことになるはずだ。SNS、ブログなどを調べれば、このようなキャンプ場はすぐに見つかる。しかし、釣り場の細かいポイント情報、狙える魚種、釣り方などは、地域性もあるため現場で判断するしかなく、これが厄介な問題なのだ。

 筆者の実例を紹介しよう。ある秋の日、目の前に地磯が広がる素晴らしいキャンプ場に釣りキャンプに出かけた。季節的に、サゴシなどの小型青物なら簡単に狙えるだろうと考え、ジグやミノーなどのルアーを持参したが、地元の釣り人は、餌木(イカ釣り用の疑似餌)や生き餌でイカを狙っており、ルアーマンがいない。

 嫌な予感がして話しかけてみると”ここはイカの一級ポイントであり、青物は運任せだ“とのアドバイスを頂いた。筆者は一日かけて周辺の磯からルアーを投げ続けたが、よりによって特大サイズのエソが一匹釣れただけの寂しい釣果であった。もちろん、このエソは美味しく頂いたが、非常に不満の残る釣りキャンプとなってしまった。

教訓:釣りは情報戦だ。そのため、情報不足に陥りがちな釣りキャンプは、失敗に終わりやすい。

ある日の釣りキャンプの唯一の釣果は、一匹のエソだった(写真:るあらび)
釣れたエソのホイル焼きは、美味しさと敗北感で半々くらいの味だった(写真:るあらび)

■失敗談2. 季節を間違うと、ほとんど釣れない・・・

 多くの地域において釣果に恵まれやすいのは、やはり秋から晩秋だろう。この時期は、冬に備えて多くの魚種が荒食いをするため、比較的釣果に恵まれやすい。筆者はこれまでの釣りキャンプで運良く釣果に恵まれたこともあるが、季節はもっぱら秋だ。腕の問題といわれたらそれまでかもしれない。しかし、”キャンプ場付近のよく知らない釣り場”という制限があるため、このような結果も当然だと感じている。

教訓:釣りは季節物だ。難易度が高い釣りキャンプだからこそ、ハイシーズンの秋を選びたい。

■失敗談3. せっかく釣れても、忙しすぎてのんびりできない・・・

ある日の釣りキャンプで釣れた一匹のチヌ。嬉しいのだが、少し忙しすぎるのだ(写真:るららび)

 過去十数回を超える釣りキャンプチャレンジのなかで、幸運にも数回釣果に恵まれた事ことがある。嬉しくはあるのだが、時間に追われるだけの非常に忙しいソロキャンプとなり、そこに少し不満が残るのだ。

 筆者が好む海の釣り(ルアー釣り)においては、潮位や潮流が釣果を大きく左右する。そのため、本気で釣果を求める場合、その日の潮の満ち引きを考慮して釣行時間を捻出する必要がある。また、日の出、日の入りの前後は”マズメ時”と呼ばれ、魚の食性にスイッチが入り絶好のチャンスタイムとなることが多い。そのため、魚の都合に合わせてスケジュールを調整する必要があるのだが、これではソロキャンプの醍醐味である”ゆっくりした時間”が奪われてしまうのだ。

教訓:”のんびりソロキャンプ”と”本気のルアー釣り”は、そもそも相性が悪いのかもしれない。

■【提案】こうすれば、釣りキャンプはきっと成功する?!

 筆者の釣りキャンプを振り返ってみると、この遊びを難しくしている原因は、大きく3つあると感じている。

 1つ目は、”釣り情報の質と量”の問題だ。どこにどのような魚がいるのか曖昧な状況が多いため、釣果に恵まれず悔しい思いをする場合が多い。これについては、例えば管理釣り場を併設したキャンプ場を選ぶなどの方法で簡単に解決できるはずであり、いつか筆者もチャレンジしたいと考えている。

 2つ目は、”ルアー釣り”という釣り方の問題だ。このスタイルは、ルアーのキャストとポイントの移動を繰り返すことになるため、ソロキャンプというのんびりした時間の過ごし方とは相容れないように感じている。

 この点については、例えば”ぶっこみ釣り”や”泳がせ釣り”などのような置き竿でできる釣りに可能性を感じている。このような釣り方であれば、一度仕掛けを投げ込めば、あとは椅子に座って待つ時間が長く、”のんびりソロキャンプ”と非常に相性が良いはずだ。

 3つ目は、”時間の過ごし方”の問題だ。キャンプ場と釣り場が近い場合、筆者のような釣り好きは、どうしても全ての時間を釣りに充ててしまう。その結果が、”忙しすぎる”という負の感情となる。それならばいっそのこと、釣りの時間とソロキャンプの時間を分ける方が良いかもしれない。

 例えば、”初日の朝マズメを釣りにあて、残りの時間はソロキャンプの時間とする”などの時間割方式とする事で、釣りもソロキャンプも、これまでより一層充実するのではないだろうか?

 筆者は、今年も懲りずに釣りキャンプにでかけるだろう。そのときは、上であげたような点を、あれこれと試行錯誤するつもりだ。きっと今年こそ、満足いく釣りキャンプが楽しめるはずと今からワクワクしている。