魚種が豊富で、大型サイズも狙えるフィールドの磯。近年は磯に関する釣り情報が増え、磯釣りに入門する人が増えている。なかでもルアーフィッシングでの磯入門のケースが多く、ロマンを求めて足繁く通っている人も多いのではないだろうか。

 磯には地続きで歩いてポイントに行ける地磯と、沖合いに船で渡る沖磯がある。地磯、沖磯のどちらもルアー釣りが楽しめるため、近年ルアーフィッシングを得意とするアングラーの間で人気が上昇している。

 そんな魅力ある釣り場である一方、磯は危険なフィールドでもある。そのため、安全装備をしっかりとして釣りに臨みたい。本記事では磯からのルアー釣りで必要になる安全装備を紹介する。また、注意点や便利グッズも紹介するので、ぜひご参考にしてほしい。

■磯は魅力に溢れるフィールド

磯で釣り上げた人気ターゲットのカンパチ(写真:山下洋太)

 磯では人気ターゲットの青物、ロックフィッシュ、ヒラスズキ、真鯛などさまざまなターゲットをルアーで狙える。また、サイズも堤防や漁港に比べると大型が釣れることが多く、自己記録サイズにも挑戦できる。

多くの釣り人から人気が高いヒラスズキも磯で狙える(写真:山下洋太)

 そんな魅力に溢れる磯には危険があるのも事実。磯場は滑りやすく、岩肌がゴツゴツとしているため、転倒すると怪我をする可能性が高い。また、満潮時や高波時は足元まで波を被る可能性があることにも注意が必要だ。しかし、安全装備をしっかりとすれば安全に楽しめる。よって、これから磯でのルアー釣りをする入門者は安全装備を用意しておこう。

■磯からのルアー釣りで必要な安全装備4選

 磯からのルアー釣りでは、「フローティングベスト」「磯靴」「手袋」「ホイッスル」が安全装備として必要だ。それぞれの特徴について詳しくみていこう。

●磯では必ず着用したい「フローティングベスト」

磯では必ずフローティングベストを着用しよう(写真:山下洋太)

 まず、磯からのルアー釣りでは「フローティングベスト」を必ず着用しよう。磯では固形の浮力体が使用されているフローティングベストが最適だ。膨張式のライフジャケットは落水時に膨張しても、岩や貝に擦れて破れる可能性がある。破れてしまうと浮力がなくなり、非常に危険だ。また、固形の浮力体は磯場での転倒時にクッションの役割も果たす。万が一転倒しても衝撃を吸収でき、怪我を軽減する効果も期待できる。

●岩場でも安全な移動を可能にする「磯靴」

磯靴はフローティングベストに並んで重要なアイテム(写真:山下洋太)

 フローティングベストに並んで必須になるアイテムが「磯靴」だ。磯靴を着用すると、滑りやすい磯でも安全に移動できるようになる。磯靴を購入するときに注視したいのがソールの種類。ソールの種類には主に「フェルト」「フェルトスパイク」「スパイク」がある。なかでもフェルトとピンが使用されているフェルトスパイクは、最も汎用性が高い。これから磯靴を購入する人は、ぜひフェルトスパイクをチェックしてみてほしい。

●岩や貝で手を切ることを避けられる「手袋」

手を怪我しないために着用したい手袋(写真:山下洋太)

 磯歩きをしていると、岩に手をついて移動する場面がある。そのようなときに役立つアイテムが「手袋」だ。手袋にはすべての指が覆われるフルフィンガータイプがおすすめ。軍手でも代用が効くので、使用してみてほしい。素手で岩に手をつくと、カメノテやフジツボなどに手があたり、切ってしまうことも。手袋を着用していると、貝に手が触れても怪我をしにくくなり、より安全に移動できるようになる。

●緊急時に使用する「ホイッスル」

落水や怪我をしたときに使用するホイッスル(写真:山下洋太)

 落水時や怪我をしたことを周りの人に知らせたいときに役立つのが「ホイッスル」。使わないことが一番だが、万が一に備えて用意しておきたい。磯では波や風の音で、人の声はかき消されやすい。また、大声をずっと出していると、体力を消耗してしまう。しかし、ホイッスルを使用すると、体力の消耗を最小限に抑え、大きな音を出せる。磯以外でも役立つアイテムなので、ぜひ用意しておいてほしい。