5月から7月にかけて紫外線の強さがピークを迎えることを知っているだろうか。日焼け止め=肌のお手入れという印象が強く、女性向けの商品が多く発売されているが、紫外線が人体に及ぼす影響は、男性も女性も同じだ。

 夏が近づくにつれて、海やキャンプなどのアウトドアで日差しを浴びる機会が増えるため、紫外線対策は必要不可欠。本記事では、紫外線が人体に及ぼす影響と正しい紫外線対策について紹介する。 

■紫外線が及ぼす人体への影響

曇り空でも紫外線量は多い

■紫外線の影響を受けやすいのは「肌」と「目」

 紫外線によって最も影響を受けやすいのは「肌」と「目」とされている。それぞれへの影響を見ていこう。

■肌への影響

 紫外線が肌に与える影響の代表は以下の通り。

・しわ、シミ
・良性/悪性の腫瘍
・発がん作用(皮膚がん)
・日焼け

 一方で、適度な紫外線は体内でビタミンDを作る手助けになっている。人間の体内ではビタミンDが不足すると、カルシウム不足におちいるため、適度な日光浴は必要とされている。

■目に及ぼす影響

 次に、目に及ぼす影響の代表は以下の通り。

・紫外線角膜炎
 →白目が充血し、異物感、涙が出るなどの症状が現れる。
・白内障
 →水晶体が濁って、光が奥まで届かなくなること。視界が濁り、ひどくなると視力低下、失明する場合もある。

■正しい日焼け止めの選び方

アレルギー反応が出た場合は即使用を止めること

 さまざまな日焼け止めが出回っているが、人によってはアレルギー反応を起こすケースもあるため、少量から試してアレルギー反応が出た場合は即使用を止めるようにして欲しい。

 リキッド・乳液・クリーム・ジェル・スプレー・シートなどさまざまな種類が出回っているが、これらにはいずれも、紫外線防止剤が配合されている。

■紫外線防止剤とは

 紫外線防止剤は「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2つに分けられ、それぞれに特徴がある。

・紫外線吸収剤
塗っても見た目には分からないほど透明度は高い。アレルギー反応をおこす人がいる。

・紫外線散乱剤
塗った時に少し皮膚が白くなるのが特徴。アレルギー反応を起こすことはほとんどない。

 上記のように肌の弱い人や小さな子どもの場合、「紫外線吸収剤」が配合されていないものを選びたい。表示はさまざまで、「紫外線吸収剤フリー」や「ノンケミカルサンスクリーン」と書かれているものが多い。

■PA、SPFとは?

 ここからは、日焼け止めでよく目にする「PA」や「SPF」について解説する。
 まず、紫外線には、「UVA」と「UVB」の2種類がある。

・UVA 日焼けや、たるみ、シワなど、老化現象を引き起こす。
・UVB 日焼けによる赤み、シミ、そばかす、皮膚がんに影響。

 PAはUVAの影響をどれだけ引きのばせるか、SPFはUVBの影響をどれだけ引きのばせるかを示している。
 PAの強さは「+」で示されており、「+」の数が多いほど、UVAを防ぐ。SPFは「50」などの数字で示されており、数値が高くなるほどUVBを防ぐ。

 以下、シーン別でおすすめの数値を紹介しておこう。

・日常の買い物や洗濯ものを干すとき (PA+〜++ SPF10〜20)
・屋外での軽いスポーツやレジャー  (PA++〜+++ SPF10〜30)
・炎天下でのアウトドアや海水浴など (PA++〜++++ SPF30〜50、50+)

 また、日焼け止めは、汗で流れてしまっては効果がなくなるため、2〜3時間おきに塗り直し(重ね塗り)が必要だ。