テントは、大きく分けて2種類。1つはキャンプテント、もう1つは山岳テントだ。どちらもアウトドアで使用するテントだが、実は設計から構造まであらゆる点で大きく異なる。具体的に何が違うのか、今回は2種類のテントを比較しながら紹介する。

キャンプテントは明らかに大きいが、違いは大きさだけでない(撮影:motomichi)

■形状、サイズ、重量の違い

 設営したときの大きさは一目瞭然だが、形状にも注目してほしい。キャンプテントは、テントの中で立てる広い空間を作るためスクエアな形状をしているが、山岳テントは、天井が低く風を受け流すような独特の丸い形状が特徴となっている。

 これは、キャンプテントが居住性を優先しているのに対し、山岳テントは耐久性を優先し、高山での強風に耐える設計にしているからだ。設営のしやすさも山岳テントの特徴で、天井が低くフライシートが軽量なため、1人でも簡単に早く設営することができる。

 収納時の大きさ、重さも全く違う。キャンプテントは車移動が前提のため、比較的大柄で重い。一方、山岳テントは収納すると、コンパクトで軽いのが特徴。登山用ザックの中に収納し、テント場まで歩く必要があるため、コンパクトで軽量であることが重要だ。

左は山岳テント(ダンロップVS20)、右はキャンプテント(コールマンB.Cライトドーム)