■出入り口の違い
山岳テントは出入り口が一方向しかない。これは通気性よりも保温性や気密性を重視し、低温下でもテント内の温度が下がらりにくい構造としているため。なお、最低限の換気ができるようベンチレーションが設けられている。
キャンプテントはテント内にアクセスしやすいよう、反対側にも出入り口が設けられていたり、2ルームで多方向からアクセスできたりとバリエーション豊かなのが特徴で、通気性や利便性が良好だ。
■価格の違い
ソロキャンプ向けのサイズで価格を比較してみる。山岳テントで人気の「mont-bell ステラリッジシリーズ 1人用テント」は、本体だけで税込3万250円。本体に合わせるレインフライやグラウンドシートは別売りのため、追加購入の必要がある(レインフライは1万3750円(税込)、グラウンドシートは4400円(税込))。総額すると、4万8400円となる。
一方、キャンプテントで定番の「コールマン ツーリングドームST 1人用」は、1万6800円(税込)と山岳テントよりも安価で、これだけで過ごすことができる。
価格の違いは、軽量でありコンパクトな点と耐久性が高い点。山岳テントはこの辺をとくに重視しているため、キャンプテントよりも高価になっている。
■【結論】用途に応じたテント選びが大事
山岳テントを一般的なキャンプに使用しても問題はないが、居住性が悪く窮屈な思いをするのでおすすめはしない。逆にキャンプテントを登山で使用することも、重量、耐久性、スペースの問題からおすすめしない。山の過酷な環境に耐える設計をしていないため避けた方がいい。テントはそれぞれのフィールドに合ったものを選ぶことが何よりも大切だ。