筆者はこれまでキャンプで食べる肉料理に、大きな期待をしたことはなかった。スーパーで買ってきた肉を炭火で焼けば、それなりにうまいからだ。キャンプ飯とはそういうものだと思っていた。

 ところが長野県南箕輪村(みなみみのわむら)の「信州経ヶ岳(しんしゅうきょうがたけ)高原キャンプ場」でオーダーできる「北野屋おまかせバーベキュー用精肉セット」に出会った瞬間、その先入観は崩れた。今回は精肉店が営む「お肉が美味しい」キャンプ場を紹介する。

■1人前2,000円とは思えない内容と味、大丈夫か!? と心配になるほどのコスパ

味も量も大満足な「北野屋おまかせバーベキュー用精肉セット」(1人前)

 こちらのキャンプ場の名物は、1人前2,000円の「北野屋おまかせバーベキュー用精肉セット」だ。

 大人2名と子ども2名の計4名分を注文したのだが、「ちょっと足りないくらいでいいかな」と思い2人前を頼んだところ、足りないどころか満腹になった。持参した食料は、ごはんと野菜だけ。それ以外は何も用意しなかったが、十分満足だった。

 サガリ、タン、カルビ。どれもやわらかく、噛むと肉の甘みと旨みがじわりと広がる。飲み込んでしまうのがもったいない。そんな思いでお肉を食べたのは久しぶりだった。

 チキンやホルモンといった幅広いお肉が入っているので、子どもから大人まで大満足。4人で肉代4,000円。外食で焼肉店を訪れたと思えば、コストパフォーマンスは相当高いはずだ。

■良質なお肉を現地調達して、贅沢BBQを堪能

キャンプ場内は涼しいため、炭火を前にしても耐えられる涼しさだった

 現地で食材を入手できるメリットは地味ながら大きい。キャンプの荷造りで一番かさばるのが、保冷の必要な食材ではないだろうか。衛生面での気分的な負担が減るし、クーラーボックスの中身をまるごと飲み物に使える。買い出しの手間そのものがなくなるのもありがたかった。

 注文は、キャンプサイトの予約時にオプションにある「北野屋おまかせバーベキュー用精肉セット」を選択するだけだ。筆者はキャンプ場予約サイト「なっぷ」を利用して申し込んだ。

 また、グリルや焚き火台、炭などの器具のレンタルもあるので手ぶらで訪れることも可能だ。施設内の肉や野菜の材料に、コンロや炭や食器までコミコミになっているプランもあるので、用意も片付けもしなくて良い大変助かるサービスである。

■羊牧場の構想から一転「焼肉が主役」のキャンプ場へ

アカマツ林に囲まれた場内

 「北野屋おまかせバーベキュー用精肉セット」には、信州プレミアム牛肩ロース、信州米豚ロースという精肉店のブランド肉がたっぷり入っている。ほかには1人前3,000円の「信州プレミアム和牛すき焼きセット」も気になるところだ。

 なぜこだわりの肉を提供できるのか。運営するのが、伊那市で精肉店と肉料理の店を営む「北野屋」さんだからである。

 オーナー夫妻によると、譲り受けた土地でご当地グルメである羊肉(マトン)とキャベツを使った麺料理「ローメン」と関連付けた羊の牧場を計画。しかし森の木々が多過ぎて牧場にするのが難しいとわかり、焼肉のできる施設へプラン変更し、現在の形にたどり着いたという。

■真夏日でも暑さが気にならない林間サイト

 筆者が訪れた日の伊那市は、最高気温が34℃に達していた。それでも標高約1,000mのアカマツ林に囲まれたキャンプ場内は、強い日差しを遮って暑さをほとんど感じない。日差しの強さを感じたのは13時から14時の一時だけで、そのほかの時間帯は木陰だった。タープを張る必要すら感じなかったほどだ。

 普通なら真夏の野外で炭火の前に立っていると暑さと熱さでやられてしまうはずなのに、むしろ快適なくらいだ。焼肉が主役のキャンプ場としては、これ以上ない環境だと思う。

 むしろ注意したいのは夜の寒さだ。夜間は予想以上に冷える。ブランケットとマットだけでは心もとなかったくらいだ。夏でも寝具は一枚多めに持っていきたい。また時期によってはアブが出るため、虫対策の用意も忘れずに。

真夏でも森の中のサイトは涼しく快適だった