■【実はカサゴ以上の絶品】毒棘を処理して極上の高級魚を味わう

オニカサゴの刺身

 紹介したハオコゼ、オニカサゴ、オニオコゼはいずれも毒魚として嫌われがちだが、実は食用に向かない小型のハオコゼを除き、オニカサゴとオニオコゼは、カサゴを遥かに凌駕する超高級魚である。市場や料亭では高値で取り引きされる魚であり、釣れればむしろ大当たりの嬉しい外道といえる。

 透き通った白身は極上の歯ごたえと強い甘みがあり、お刺身や薄造りは絶品だ。アラから出る出汁は濃厚で、味噌汁や鍋にするとカサゴ以上のコクが楽しめる。唐揚げにしても骨まで香ばしく味わえる。

■釣り現場で行う「毒棘」の完全除去

 この極上の味を安全に持ち帰るため、現場で行う「毒棘(どくきょく)」を完全に除去する方法を紹介したい。

 3種の毒魚はいずれも背びれなどのトゲに毒がある。まず釣り上げたらフィッシュグリップで魚の口をガッチリ固定し、背びれをハサミで根元からすべてチョキチョキと切り落とす。

 エラ蓋や頭部、尻びれ、腹びれにも鋭いトゲがあるが、怪しい突起はすべて切り落とすとよい。

 また、切り落としたトゲを堤防付近に放置すると、他の釣り人が踏んで刺さる原因になり大変危険である。必ず海に捨てるか、ゴミとして持ち帰ろう。完全にトゲを取り除いてしまえば、あとはカサゴと同じように安全に持ち帰って調理できる。

■釣れたときの安全な扱い方と、万が一刺されたときの応急処置

 いずれの魚も、まずはフィッシュグリップ等を使い素手で触らないことが重要だ。魚が針を深く飲み込んでしまい、外すのが危険な場合は、無理せずラインを切るのが正しい安全管理である。

 また、たとえ注意していても、不意に魚が暴れた拍子にトゲが刺さってしまうことがある。筆者も以前トゲに触れ、1時間以上痛みが続いた経験がある。万が一刺されたら、まず傷口を水道水で十分に洗い流し、トゲが残っていればピンセット等で抜こう。

 これらが持つ毒は共通して、熱に弱いタンパク質毒だ。火傷しない45〜50℃程度の熱いお湯に患部を浸すことで、毒の活性が収まり痛みが和らぐといわれている。現場にお湯がない場合は、自動販売機のホット飲料で代用するとよい。ただし、めまいや吐き気等の症状が現れた場合は、迷わず病院で受診することを徹底してほしい。

 カサゴ釣りのポイントに潜む毒魚たちは、厄介な存在に思えるかもしれないが、カサゴとそれぞれの毒魚との決定的な違いさえ知っていれば、現場で見分けることは決して難しくない。

 直接素手で触らないようフィッシュグリップを常備し、高級魚は正しくトゲを処理して持ち帰る。この正しい知識と事前の準備こそが、トラブルを防ぎ、安全で美味しいカサゴ釣りをより楽しいものにしてくれるだろう。