■空白の時間が教えてくれた、実釣レポート
この日、筆者は根がかりの多さに辟易していた。少しでもリールを巻くと、仕掛けが海底で引っかかってしまう。 「今日はダメかな……」と半ば諦めかけていたところに電話が鳴り、竿を堤防に立てかけたままその場を離れた。
数分後、戻ってきて竿を手に取りリールを巻いてみると、ズシン! とした重みが。慎重に巻き上げると、上がってきたのはこの日一番の20cmオーバー!
投げ入れた仕掛けを「放置した」ことで、キスがエサを安心して吸い込み、しっかりと針掛かりしたのだ。引きずって探るよりも、キスの居場所を「点」で捉えて待つことの有効性を、期せずして証明する形となった。
■良型キスの刺身は絶品
釣った後の楽しみは何と言っても料理だ。20cm級のキスが釣れたら、ぜひ試してほしいのが「お刺身」である。まず皿に並べた料理には別格の美しさがある。 釣りたてのキスの身は、驚くほど透き通っている。うっすらとピンクがかった白身は、まさに「海の貴婦人」の名にふさわしい気品が漂う。
刺身の特徴は、その「雑味のなさ」と「ほのかな甘み」だ。 クセは一切なく、かといって淡白すぎるわけでもない。噛みしめるごとに、上品で質の良い脂の甘みが鼻から抜けていく。
そして、残った中骨は捨てずに「骨せんべい」に。少し多めの塩コショウで下味をつけ、片栗粉をまぶしたら、低温の油で10分ほどかけて揚げるとサクサクに。三枚おろしの中骨に多少身が残っていても、気にしないでOK。
●キスが釣れる時期と時間帯
キスは冬以外なら釣りが楽しめる魚だが、特に4月下旬から6月は良型が狙える「乗っ込み」シーズン 。
時間帯は活性が最も上がる朝マヅメが狙い目。ただし昼間でも干潮から満潮へ(あるいはその逆)潮が動く時間帯はチャンスとなる。春から初夏のアクティビティとして、ライトタックルで試せる堤防のキス釣りに出かけてみてはいかがだろうか。
筆者が使用したタックルと道具は以下のとおり。
【使用タックル】
ロッド:投げ竿 20-390
リール:スピニングリール 4000番
天秤:ハヤブサ(Hayabusa) ライトショット P166 立つ天秤スマッシュ
仕掛け:投げ釣り用仕掛け 8号
エサ:アオイソメ