■高津川水系で有効だったミノーの使い方

 ルアーはシンキングタイプ(水の中で沈むタイプ)のミノーをメインで使用。流れの中でもしっかりと動いて、ロッド操作でちゃんとアクションしてくれる。トゥイッチ(リールを巻きながら小刻みにロッドを動かす)による平打ちアクションで魚にアピールしてみた。

 基本は下流側から上流側に向かって投げるアップクロスでキャストし、流れにのせてトゥイッチをいれながら、ルアーに不規則な動きを入れて誘う。移動距離を抑えつつ、流れの中でしっかりとルアーを見せることが重要だ。

 特に瀬の中では、ただ巻きよりもトゥイッチをいれてリアクションを誘う方が反応が出やすい。澄んだ流れの中でルアーを追ってくる魚の姿が見える瞬間は、渓流ルアーならではの魅力だ。

高津川水系の二つの流れが合流するポイント
高津川水系の岩や石が点在しているポイント

■釣れる場所や狙う場所

 高津川のような瀬の多い渓流では、流れの変化のある場所に魚はつきやすい。

代表的なのは

・瀬の中の岩や石の裏
・流れが緩む境目
・落ち込み周辺(水泡が出来て消える付近、反転流付近)
・流れが合流するところ

 なかでも大型の個体は、強い流れの中でも安定して定位できるポジションや、岩や石によってできた反転流などにつくことが多い。そういった流れが効いていながらも、わずかに緩むラインを見つけることが釣果につながる。

 ポイントをていねいに釣りながら、反応がなければテンポよく次の場所へ移動することも重要だ。

流心の中で釣れた尺ヤマメ(はく製にしようと思い持ち帰り。そのため陸で撮影)

■流心で釣れた尺ヤマメ

 この日釣れたのは、流れの強い瀬の中でも流心の脇でちょうど小さな反転流ができているポイントだった。

 一番期待していたメインの反転流は二日前の雨の影響か反応がなかったため、普段より水量が多くなってできていた小さな反転流にもルアーを落としてみようと思い、キャストした。

 ミノーを流れにのせながらトゥイッチを入れると、水中から勢いよく魚影が飛び出してきた。一度目はかからなかったが再度同じ場所にルアーを通すと、また飛び出してきた。今度はルアーに掛けることができ、掛かった瞬間はそこまで引かなかったが、途中からマス類特有の力強いファイトを見せてくれた。

 無事にネットに収まったのは、30cmを超える大型ヤマメ。透明度の高い高津川水系の流れの中で見る魚体は美しく、思わず見入ってしまう一尾だった。

良型のヤマメ

■渓流で出会う一匹の価値

 渓流釣りでは数釣りよりも、一匹の出会いが印象に残ることが多い。澄んだ流れ、瀬の音、そして自然に囲まれた空間。その中で出会う魚は、釣果以上の価値を感じさせてくれる。

 特に尺ヤマメのような一尾は釣りの技術だけでなく、環境や、状況、タイミングが重なってやっと出会える存在であり、その一匹には特別な意味があるのだ。

渓流ベイトスタイルでの良型ヤマメ

■渓流ベイトスタイルで魅力的な一匹を見つけに行こう

 高津川水系は、中国地方屈指の清流として多くの魅力を持つフィールドだ。瀬を中心に狙う釣りは、ルアーフィッシングとの相性もよく、クラシカルなリールを使った渓流ベイトスタイルは釣る楽しさに加え、道具を使う楽しさも感じさせてくれる。

 自然の中で出会う特別な一匹との時間。その価値こそが渓流釣りの魅力なのかもしれない。そんな魅力的な時間と一匹との出会いをぜひ見つけに行ってほしい。