富山県立山町にある称名滝(しょうみょうだき)は、落差350mで日本一を誇る名瀑。近くには昭和時代に造られた「称名川第二発電所取水口」という水力発電所も残っている。自然と歴史を感じられる称名滝の魅力を紹介する。

■轟音と水しぶきに包まれる、日本一の名瀑

 立山連峰の雪解け水が白い糸を束ねたように流れ落ち、滝つぼの水面に衝突する轟音が山あいに響き渡る称名滝。その迫力は視覚や聴覚だけでなく、滝の前に立つと水しぶきが飛んできて、体で浴びることもできるほど。

 春には「幻の滝」と呼ばれる滝が隣に現れ、二重滝の絶景が楽しめる。夏の晴天時には水煙に虹がかかることもあり、秋には紅葉と白い滝筋のコントラストが見事である。季節ごとに異なる姿を見せるのが称名滝の魅力である。

水飛沫をあげる称名滝。遠くから見ても圧巻だ

■土木遺産の称名川第二発電所取水口

 称名滝の入口付近には、見逃せないスポットがある。それが称名川第二発電所の取水口である。1960年に建造され、水力発電用ダムとして知られている。立山(たてやま・標高3,015m)の豊富な水資源を利用し、地域の近代化を支えたこの施設は、今も往時の姿を留めている。

 石造りの堤体は土木遺産としての歴史的価値が高い。雄大な自然と人間の技術の結晶が共存する点は称名滝周辺ならではといえ、産業史や土木史に興味を持つ者にとっても訪れる価値の高い場所といえる。 

称名川第二発電所の取水口。一見すると古民家のような外観