大平山(おおひらやま・標高1,296m)は山梨県南都留郡(みなみつるぐん)山中湖村と、忍野村(おしのむら)の境界にある山で、富士五湖の1つ、山中湖の北側に連なる稜線上の1座だ。
頂上からは真正面に富士山、眼下に山中湖が広がる絶好の展望を楽しめる。特に3月は積雪が比較的穏やかで、アイゼンを装着すれば安全に登れることから、「雪山デビュー」にふさわしい季節といえる。
登山ルートは明瞭で、危険箇所も少なく、湖畔の駐車場から迷わず山頂に立てるのも魅力だ。また、今回紹介するコースは時計回りの周回ルートで、登りと下りで違った景色が楽しめる。登山中にすれ違う人も少なく、静かな自然と向き合うことができるため、混雑を避けたい人にもぴったりの穴場である。
■コースの紹介
●登山口へのアクセス
大平山登山の拠点となるのは、山中湖北西岸にある長池親水公園(ながいけしんすいこうえん)駐車場である。東西2か所合わせて約70台が駐車可能でトイレも備わっている。
マイカーの場合は、中央自動車道・河口湖ICまたは東富士五湖道路・山中湖ICから約5〜20分。朝早めの到着を心がければ、まず間違いなく駐車可能だろう。登山口からすぐに富士山と山中湖を一望できるため、車を降りた瞬間から感動が始まる。アクセスが良く、駐車場までの車道はしっかり除雪されているので、運転しやすい点も嬉しいポイントだ。
公共交通機関を利用する場合は、富士急行線「富士山駅」から「周遊バスふじっ湖号」で45分。「長池親水公園前」下車し、そこから登山口にアクセスできる。
●コースタイム
【長池親水公園駐車場から大平山周回コース】所要時間
長池親水公園駐車場 (0:00) → 大平山登山口(0:40) → 長池山 (1:00) → 飯盛山 (1:10) → 大平山(1:40)→長池親水公園駐車場 (2:30)
歩行距離:約5.8km
累積標高差:登り 368m、下り 368m
合計所要時間:2時間30分
■いざ、雪の大平山へ!
●静かな湖畔と富士山の開幕ビュー
長池親水公園駐車場で準備を整えたら、いよいよ出発だ。ここは山中湖の北岸に面し、湖越しに富士山を一望できる絶好のロケーションである。
湖畔を西方面へ進み、10分の舗装道歩きののち、坂道を上る。別荘地やキャンプ場を通り過ぎると、大平山登山道が見えてくるはずだ。
早朝の時間帯は観光客も少なく、静寂の中で湖と富士山を眺めながら歩ける贅沢なひとときだ。登山口より先は山道に入ることになる。雪の状況によっては、ここから軽アイゼンを装着してもいいだろう。
●ふかふか雪道と展望の稜線歩き
登山口からは、整備された山道を登っていく。序盤はなだらかな上りが続き、足元には落ち葉と残雪が交じる。序盤は尾根沿いを歩き、視界が開ける場面は少ないものの、木々の合間から山中湖や富士山が時折顔を出す。ほどなくして「長池山(ながいけやま1,178m)」に到達。ここは眺望は控えめだが、静かな森に囲まれた雰囲気が心地よい。
さらに進むとやがて「飯盛山(いいもりやま・標高1,191m)」に至る。このあたりから徐々に展望が開け、空の広さとともに気分も高まってくる。雪も多く残り、冬らしさを感じさせる区間であるが、傾斜は穏やか。途中の展望の開けた場所でひと息入れつつ、山頂への最後のアプローチに備えたい。