■山頂から先がこの山のハイライト

高川山山頂。この日は残念ながら富士山は見えず

 辿り着いた広々とした山頂からは、晴れていれば富士山が美しく見えます。標高は高くないものの360度の大パノラマが広がり、南アルプスや三ツ峠なども見えます。もし、梅雨の合間に見られたら、かなりラッキーでしょう。

山頂からは下り基調で楽々。緑と花に囲まれた爽快な尾根歩きが続く

 ここから初狩駅にピストンしたり、「道の駅つる」の方に下りて田野倉駅に向かうルートもありますが、おすすめは尾根伝いに軽いアップダウンを繰り返しながら大月駅に向かうルートです。個人的に、高川山の良さはこの尾根歩きにこそ詰まっていると思います。

新緑を楽しむなら5月の連休前後がちょうどいい

 この尾根はアカマツ、コナラ、ヒノキ、ネズ、ヤシャブシ、ツガなどの雑木林で構成されていて、非常に樹種が豊富です。見上げれば豊かな緑、足元にはいろいろなドングリやマツボックリ。季節ごとに花も豊富で、登山者を飽きさせません。取材日はウツギやヤマアジサイ、ツツジの仲間をちらほら見ることができました。季節が違えば、ダンコウバイやヤマザクラも見られるそうです。

■6月に登るなら朝イチが勝負

最後のピーク、むすび山から下りると民家の脇に出る

 最初に登ってさえしまえば、あとは気持ちのいい尾根歩きが楽しめます。しかし、標高をどんどん落としていくルートなので、6月に晴れていると昼前にはすっかり蒸し暑い夏山に早変わりしてしまうのが難点です。攻略のポイントとしては、可能な限り朝早くスタートして登りをこなしてしまいましょう。

大月市内で「秀麗富嶽十二景のピンバッジ」ガチャを発見。マニアック!

 ルートタイムは5時間弱、累計標高差は800m弱と、ちょうどいい歩き応えです。大月駅に下りれば、お昼ご飯の選択肢も豊富に揃います。秋の紅葉時期や冬もおすすめです。ちなみに、雨の日も綺麗な緑を楽しめそうですが、高川山直下は急な泥の道(通称・爺返し)があるので、あまりおすすめはできません。

 遠出しようと思っていたけど、1日しか天気が持たないそう。そんな日の優秀な代打要員として、ぜひ覚えておいてください。