■山頂から眺める越後平野と、まだ雪が残る越後の山々

山頂の東側からの眺め。霞でお預けとなった越後の山の雄姿。近いうちにリベンジ!

 山頂はとても広い。展望があるのは東側で、越後平野と越後の名山を思うままに眺めることができる特等席。避難小屋とベンチがあるから、地元の方々と会話を交わす楽しみもある。見知らぬ土地の、初めての低山。視界に入る山の名称を、指さしながら教わる楽しさたるや。

 下山は登りと異なるルートにしてもいいし、登山口までピストンして戻るのもいいだろう。ぼくはビーチに戻るべく、同じ道のりで下山したけれど、日本海を目がけて下りていく圧倒的な風景は、低山らしいスペクタクルな迫力を味わえて最高だった。太陽が海へと傾いていく時間帯というのも、いいタイミング。

■源義経が舟ごと身を隠した「判官舟かくし」

あの断崖の亀裂の奥に、義経は舟ごと身を隠したという

 角田浜へと下山するなら、帰りに寄り道したい歴史的スポットがある。その名も「判官舟かくし」という、海に突き出す断崖に刻まれた洞穴だ。兄・頼朝の追手から奥州へと逃れる源義経が、舟ごと身を隠したと伝わる海の洞穴である。

 かつては、京との通商で賑わった日本海の海運ルートが近くを通っている。そのような舟に紛れて、義経がここを通ったのかと思うと胸が熱くなる。もしかしたら、この洞穴で舟を捨て、角田山の頂へと逃れ、越後平野の全貌を眺めながらその後の逃避行に思いを馳せたのかもしれない。

 なんて想像で最後まで楽しめた、梅雨の合間の角田山であった。

<低山トラベラー厳選。角田山周辺の立ち寄りスポット>
【ご利益】新潟といえば「弥彦神社」。せっかくだから弥彦山頂への登拝もぜひ!
【日帰り温泉】ちょっと離れているけど、「多宝温泉だいろの湯」は源泉かけ流し!
【日帰り温泉】蒸し暑い日なら近場の「福寿温泉じょんのび館」に駆け込む!
【ラーメン】駆け降り一杯!新潟ラーメン「なみ福 角田浜本店」がおすすめ
【海水浴】下山後は「角田浜」でぼーっとするのもよし!