■Day2. 一切経山を目指すはずが、ルートを変更
●6:00 朝風呂
実は、夜寝ている時からゴウゴウと強い風が窓に吹き付けていました。朝風呂に行った時も、空は明るいのですが、かなり木々が揺れていました。
少々嫌な予感を抱えつつ朝食バイキングへ。地のものを中心とした豊富な和洋メニューが揃いエネルギーチャージできました。朝食会場からは晴れ間も見えたので、期待と不安が入り混じっていました。

●8:00 出発/磐梯吾妻スカイラインへ
気持ちとしては、福島まで来てこの場所で登りたい山を諦めることは出来ず、とりあえず行ってみることにしました。
携帯を見つめ、晴れ予報を信じて土湯温泉を出発。景色が綺麗で有名な磐梯吾妻スカイラインですが、車窓から見える山並みはガスに覆われほぼ何も見えず、横風で時おりハンドルが取られるほどでした。
●8:50 浄土平駐車場到着
浄土平の駐車場に到着し、車から降りてみると真っすぐ立ってられないような強風が吹いていました。いったんビジターセンターで状況を確認すると、「一切経山はオススメしない」とのアドバイスがあり、まずは目の前の吾妻小富士に登ってみることにしました。
●9:30 吾妻小富士の階段で苦戦

吾妻小富士の頂上までは整備された階段があり、15分ほどで登れるはずなのですが、吹きつける暴風に立っていられず、時折しゃがんでやり過ごしながら火口縁へ。立ってられないので態勢を低くして火口を撮影し、下山します。

●10:30 作戦会議~鎌沼へ
いったんビジターセンターの室内で作戦会議を。風は弱まらず、たまにパラっと小雨も降っています。一切経山と五色沼を見に行きたかったのですが断念し、一切経山の手前にある鎌沼方面へ少し登ってみることにしました。
浄土平湿原の木道を抜け、山へ入るとここでもまた雪道が続き、さらには雪で覆われているため登山道がどこなのかはっきりしません。

登山道を示すピンク色のテープが見当たらず、ざっくり方角を決めて登っていましたが、周りに木が少なくなってくると風が強くなり、視界もあまり良くないので30分ほどで撤退を決めました。ここまで来た記念に3人で写真を撮って戻ります。


●12:00 雪が残る美しい桶沼に出会う
ここで帰るのも悲しいので、浄土平湿原を抜け湿原周辺の散策コースにある桶沼へ。20分ほど雪山を歩くと、凍った沼が真ん中から溶け始め、エメラルドグリーンの水が覗く桶沼を見ることができました。
今日の目標は、一切経山に登り、五色沼を見に行くことだったのですが、美しい桶沼を見ることができて小さな達成感を得ました。


よし、温泉へ向かおうと木道を歩いている時に、やっと青空を見ることができました。
ビジターセンターで作戦会議をしている時に、友人が5月頭に下見に行った時の五色沼の写真を見せてくれました。雪がまだ残るこの時期だけ、“ドラゴンアイ”と呼ばれる姿になるそうで、本当はこれが見たかったのです。こちらは春限定なので、できれば来年にリベンジしたいと思います!

●13:30 花月ハイランドホテルの温泉へ

慣れない強風に耐えるため気力も使い、体が冷えたので立ち寄り湯へ。車で15分ほどで、白濁した硫黄泉が楽しめるエリア、高湯温泉へ到着します。あまりよく眠れなかったのが原因なのか、珍しく筆者は少し車酔いをしてしまいました。
硫黄の香りがしっかりある乳白色の露天風呂に浸かった瞬間、車酔いも疲れも吹っ飛びました。心地よい清々しい風を浴びながら、時おり休憩を挟みつつ温泉に何度も浸かって完全復活。山があるところに温泉あり、日本は良い国ですね!
●15:00 コメダ珈琲で休憩
17時の新幹線まで時間があったので喫茶店でお茶を。チキンナゲットを食べながら、「想定外のアドベンチャーだったけど、無事で良かった! またリベンジしようね!」と話しました。ライトなハイキングであっても、登山道の状況のチェックや風速を含めた天気予報もしっかり確認しないと大変なことになるのだと学びました。
■今回の経験から得た教訓
1. 天気予報では風速と体感温度を確認する
2. 山行アプリなどで直近の登山道の状態を見ておく
3. 下山リミットを逆算し、無理せず撤退する勇気を持つ
4. 春山でも残雪装備と防水靴を忘れない
5. プランBと温泉を用意すれば悪天候でも心が折れない
今回の旅は、雪と強風の洗礼を受けつつも、安全第一の判断で無事に終えることができましたが、事前のチェックや天気が良いなどの条件が揃った時に、やっとライトなハイキングと呼べるのだと痛感しました。安達太良山の爆裂火口と一切経山の五色沼を見に行きたいので、今回得た教訓を忘れずに、これからも登山を楽しんでいけたらと思います。