「ライトなハイキング旅に行こう!」と5月に計画した女子3人・1泊2日福島の旅は、想像を超える残雪と暴風に翻弄されるアドベンチャーへと変わってしまいました。天気予報は確認していたものの、今年の残雪の具合を見ていなかったことと、風速をチェックしていなかったことが反省点になります。ここでは失敗談エピソードとして時系列で旅の行程を振り返り、最後に教訓をまとめたいと思います。

■Day1. 安達太良山が想定外のアドベンチャー

●9:30 福島駅で合流

 福島に頻繁に通う友人と現地で合流するため、東京駅から別の友人と2人で新幹線に乗り、福島駅で待ち合わせました。

 福島旅行1日目は5月10日(土)で、この日の天気予報は午前中が小雨、午後は曇りでした。そのため、午後から安達太良山へロープウェイを使って登ろうという話になり、まずはツツジが見頃の花見山公園へレンタカーで向かいました。

●10:00 花見山公園を散策

整備された道の両脇にカラフルなツツジが続きます

 福島市内にある「花見山公園」は福島駅から車で15分で、駐車場や入園料は無料。運よく小雨は上がり、気持ちよく園内を40分ほど散策しました。整備された歩道の両脇に大量のツツジがもこもこと咲き、お花のトンネルを歩いているような気分です。

 また、「花見山公園」は、春には一面の菜の花と満開の桜が楽しめる名所でもあります。

小高い丘になっているので眺望も良かったです
アジサイもびっしり咲いていました

●11:00 人気蕎麦屋「喜多八」でランチ

十割そばの「鴨せいろ」が絶品でした

 花見山公園から15分ほど車で移動し、11時オープンの人気のお蕎麦屋さん「喜多八」で腹ごしらえを。私は十割そばの「鴨せいろ」を注文しました。つけダレには鴨以外にキノコがふんだんに入っていて、濃いめの和風だしが、ガツッと効いてとても美味しかったです。

●12:20 安達太良山ロープウェイ

ロープウェイで安達太良山の山頂駅へ

 お蕎麦屋さんから45分ほど車で移動し、安達太良山の山麓駅へ。天気予報の通り、気候はおだやかな曇り。駐車場に車を停め、ロープウェイに乗り約10分で標高1,350mの山頂駅に到着します。当初は安達太良山頂上から少し歩くと見える“爆裂火口”をサクッと見て戻る予定でいました。

コースマップによると山頂駅から山頂まで90分ちょっと

●想像を超える悪路に苦戦

 木道を歩きはじめてまず残雪が多いことに驚きました。さらに歩いていくと、登山道が雪に覆われ、踏み抜かないように慎重に歩くような箇所が多くなってきました。

まさかこんなに雪が残っているとは思っていませんでした

 今シーズンは降雪が大変多かったので、それを思えば想像もついたかも知れませんし、山行アプリなどで直近の景色をチェックしていれば良かったのですが、数時間のハイキングだろうと思ってチェックを怠っていました。

 雪の下には雪解け水が流れ、雪が薄くなってきているので緊張感がありました。

木に当たらないように、雪を踏み抜かないように歩きます

 途中から登山道が雪解け水と午前中の雨により完全に沢になって、岩の上などに足を置きながら登っていました。今回、ハイキングが2回目という友人が一緒だったのですが、その友人は防水でないシューズを履いていて、靴下までぐっしょり濡れていました。 

登山道が雪解け水で沢のようになっていました

 12時40分頃から登り始め、山頂まで90分ちょっとで着くことを想定していましたが、想像を超える悪路のため、ゆっくり慎重に登っていました。

●14:20 山頂手前で撤退決定

一面雪なのにスキー板を履いてない自分が不思議

 森林限界を抜け、安達太良山山頂という看板を見たときは、「もうすぐだ!」と思ったのですが、そこからは完全に雪原に。ハイキングでこんな景色を見たのは筆者は初めてで、スキー場にいる感覚になりスキー板を履いていないことが不思議でした。

 つま先を蹴るように歩けばチェーンスパイクを着けるほどでもなく、なんとか登っていましたが、この辺りで時刻が14時を過ぎていることを確認。本来であれば登頂している頃です。ロープウェイの最終出発時刻(16時半)を逆算し、安全を優先してここで帰ることに決めました。

 友人が持って来てくれた福島名物「みそパン」でエネルギー補給をします。抜けが良くなっていたので、美しい景色を短い時間で堪能し、これはこれで楽しかったです。

福島名物、みそパンを食べてエネルギー補給!
下りはチェーンスパイクを着けました

 後から友人に、今年の4月に訪れた時の写真を見せてもらいました。そこには雪で真っ白に覆われた美しい爆裂火口が写っていました。また、昨年の5月には登山道には全く雪は残っていなかったそうです。もう少しサクッと登れる時に、またリベンジしたいと思います。

美しい安達太良山の爆裂火口(友人提供 2025年4月撮影)

●16:00 薬師岳パノラマパーク

高村光太郎著、智恵子抄の一節「この上の空がほんとの空です」と書かれた石碑と安達太良山山頂
山頂には行けなかったけど一緒に写真は撮れました

 同じ道を辿ってきたので順調に下山し、途中で「薬師岳パノラマパーク」に立ち寄りました。智恵子抄の一節「この上の空がほんとの空です」と書かれた石碑と安達太良山の山頂を確認。その後、無事にロープウェイで山麓駅まで降りることができました。

●17:00 温泉宿「山水荘」にチェックイン

「三大こけし発祥地」の一つの土湯温泉。こけしがお出迎えしてくれました
お風呂とサウナ、美味しいご飯が楽しめる宿「山水荘」

 1泊2日の女子旅なので、宿は温泉とサウナと美味しいご飯が楽しめる「山水荘」をセレクト。「山水荘」は三大こけし発祥地の一つ、土湯温泉にあります。安達太良山山麓駅から車で20分ほどでした。

 温泉サウナをしっかり堪能し、夜は生ビールで乾杯。明日の天気予報は待ちに待った晴れです。「今日は予想外にアドベンチャーだったけど、明日は晴れるね!  楽しみだね、お休み。」と話して就寝。翌日は一切経山へ行く予定です。

今日は悪路の中頑張ったね! と乾杯