物価高が続いており、貧乏キャンパーは喘いでいる。またそんな時節、家族持ちのソロキャンパーであれば、自分だけ外で贅沢なキャンプ飯を楽しんでいるのではないかという疑惑を持たれ、家庭内不和を引き起こしかねない(かもしれない)。今回はそんな人たちを応援するために、500円で1泊2日、つまり2食分のキャンプ飯を作るのは可能か、検証してみた。
■今回の基本ルール

たとえ500円だけでも飢えを凌ぐだけであれば、インスタントやレトルト食品でも可能だ。しかしそれでは料理とはいえず、せっかくのキャンプなのに味気ないし、つまらない。
自然の中で調理をするという行為自体がイベントであり、できたての料理をその場で食べるのはキャンプのクライマックスシーンともいえる。
そこで今回は予算500円以内で2食という縛り以外に、次のような独自ルールを設定した。
・インスタントやレトルト食品は使用しない
・食材は現地のスーパーなどで購入
・調味料(めんつゆ、だしの素等を含む)と油は自宅から持参OK
・簡単調理で満足感のある量のメニューにする
■1日目、夕食はスペインの伝統料理で勝負

まず主食の炭水化物をどうするか思案しながら食材を探す。米は2合入りが販売されているが、これだけで予算オーバーとなる。
しかし某スーパーで400g入りパスタを見つけたとき、勝利を確信した。これはむしろ2食では食べきることが困難である。
その他、オイルサーディン缶、バラ売り玉ねぎ、エリンギを購入。
この時点で夕食メニューはスペインの伝統料理「フィデウア」に決定である。米の代わりにパスタで作るパエリアであるが、米で作るよりも失敗が少ない。
まずパスタを短く折る。野菜類を細かく刻んで、オイルサーディン缶とともにすべて鍋に放り込む。味つけは塩コショウ、顆粒コンソメ少々。ひたひたになる程度の水を加え、水分が無くなるまで煮込めば完成だ。
缶詰の塩分を考慮しなかったため、やや味が濃くなったが、想像以上に美味くて仰天した。具材の旨味がパスタに浸みて、酒のアテにもぴったりである。