■ローンピークの人気の理由は“ゆるさ”?

ハイカーからランナーまで、幅広い層に人気のローンピークですが、私なりに人気ポイントを分析すると“独特の緩さ”が理由のように思います。私は、今まで4.5と6を履いてきましたが、慣れている山域やホームマウンテンなら、「今日はローンピークで良いか」とつい選んでしまうシューズです。
薄めのソールから足裏に登山道の形状が伝わりやすく、緩く履いても足に追従してくれます。これが登山靴だと、緩く履くと靴ズレが起きたり、無駄に疲れたりとトラブルの元になってしまいます。過保護過ぎない絶妙なバランスが、近くの低山歩きでもほどよい運動になり、足やバランスを鍛えている感じが気持ち良いのです。
所有している他のアルトラシューズと比較してみましょう。さらにソールが薄くてスタックハイト21mmのスペリオールは、ウォーキングや短距離のジョギングで使用しています。次にハイトに厚みがあるのが、今回の25mmのローンピークです。シリーズでもっとも厚みのある33mmのオリンパスは、優れたクッショニングと安定感があるので、足の疲れを軽減させたい長距離移動時に使用しています。たった数ミリのハイトの差ですが、それぞれのシューズの異なる特徴に現れます。
その点、ローンピークは絶妙にバランスが良く、この感覚は他のモデルにはないものだと思っています。
■靴をローテーションするという考え
個人的に登山靴に求めるのは、「できるだけ故障や怪我を防ぐ」こと。私は踵が小さくズレる癖があるため、踵周りのホールド感を重視して、基本的には隙間なくピッタリと足にフィットする靴を選んでいます。しかし、メーカーによって歩行へのアプローチが違うため、特定の靴ばかり履いていると靴の特性が足についてしまい、他の靴を履いた時に違和感や痛みが出てしまうことがあります。
そこで、私はクッション性の高い靴を履いたら次は薄底の靴を選んだり、ローカットとミッドカットを交互に履き替えたりしながら、フィット感の高い靴の次は幅広でゆとりのあるものを選んだりと、いろいろなタイプの靴をローテーションで履き分けるようにしています。