●山伏平からいよいよ矢倉岳山頂へ

山伏平を過ぎると、段々と勾配がきつく、登るのが大変になってくる。それと比例するように展望も徐々に開けてくるので、ここが頑張りどころ。山伏平を出てからおよそ20分、最後の急登を乗り越えたら山頂だ。
山頂は広々として、テーブルやベンチも備えられている。背の高い草木が刈り払われており、草原のような趣だ。
各方角とも景色がよく、丹沢の広大な山々や、噴気のあがる箱根・大涌谷(おおわくだに)などが見える。また遠くには静岡の名山、愛鷹山(あしたかやま)の特徴的な双耳峰も見ることができた。
鮮やかな黄色い花を咲かせるミツマタが、青い空と冠雪した富士山の美しさを際立たせてくれる様は必見だ。

●山頂から登山口へ、来た道を戻り下山
帰り道も、行きと同じコースを辿って帰ろう。ピンクリボンが要所要所に付いているので、見落とさないよう注意しながら進めば問題はない。ただ、筆者が登った3月上旬はまだ雪が残っており、午後にはそれが融けだして道をぬかるませる。スリップには気をつけよう。ストックでバランスを確保しながら進むといいだろう。
今回は、静岡県南足柄市の矢倉岳を紹介した。往復3.5時間と比較的短めのコースで、なおかつ低山だが、富士山と春の花々の景色は見事という他ない。道中の景色も変化に富んでおり、また山の麓を彩る梅畑も忘れてはいけないチェックポイントだ。
寒さの和らぐ3月、4月。鮮やかな花の彩りと香りを楽しむ矢倉岳登山に出かけてはいかがだろう。