龍伝説が語り継がれる龍尾寺

龍尾寺の入口

 続いて、御机神社から車道を挟んですぐ、相対する崖の上にある龍尾寺に向かいます。このお寺は、約1300年前の奈良時代中期に行基菩薩によって建立されたと伝えられて、本堂に向かう山道から見える街の景色、春の桜、秋の紅葉がとてもきれいなスポットとしても有名です。

龍尾寺本堂に向かう途中に見える街の景色

 龍尾寺は、その名前通り「龍伝説」に謂れのあるお寺です。入口には、龍尾寺の伝説が書き記されています。

 奈良時代のある夏のこと、日照りが続き、村を上げて雨乞いをしても雨が降らなかった年がありました。そこに現れた行基というお坊さんが一心不乱に龍王に祈ったところ、なんとか雨は降ったのですが、雨後に山の彼方には、我が身を3つ裂いてまで民衆の苦しみを救った龍の頭と胴と尾の3つが残っていたそうです。そこで人々は、龍の頭の落ちたところに龍光寺、胴体のところに龍間寺、尾のところに龍尾寺を建て、龍王の霊を弔ったと言い伝えられています。

12年に一度しか見れない龍尾寺の寺宝「龍尾」を拝観

拝観すると撮影できない代わりに龍尾の記念はがきがいただけます

 この伝説にある「龍尾」は、龍尾寺の宝として大切に祀られていますが、この寺宝は12年に一度「辰年」に一般公開されます。寺宝の「龍尾」は、龍伝説と深く結びついている歴史的・文化的価値の高い展示物で、ガラスケースに保管されています。

龍尾寺本堂正面には四條畷の絵本作家、谷口智則さんが12年前に描かれた龍の絵

 龍尾は、黒くてイボイボのあるヒモ状の物体で、木にぐるぐると巻き付いており、伸ばすと約1mにもなるそうです。この正体不明の謎めいた特徴も、見る人の興味をそそる要素となっていて。昭和36年に日本の有名な生物学者3名が鑑定しましたが、「生物のミイラには違いないが、これがなんであるかは不明」という鑑定結果であったとされています。

 龍尾はもちろん、本堂内の撮影は禁止されています。公開は今月の15日まででしたが、画像検索するとヒットしますので、ぜひ一度ご覧ください。