■一般道との連結、将来はリニア新駅とも接続
富士トラムは、ゴムタイヤ式の利点を活かし、富士スバルラインの専用区間から一般道への直接乗り入れを検討している。富士スバルラインの専用区間は法律上、鉄道扱いとなるが、一般道を走行する場合はバス扱いとなる。
これが実現すれば富士山周辺の観光地・山中湖や鳴沢村など、富士山下山後に訪れる人が多い周辺エリアへのアクセスがよりスムーズになることが予想される。2034年に開業予定の中央リニア新幹線、東京・品川からの所要時間が25分と予想されているリニア山梨県駅と結ばれることで、その恩恵は広域に及ぶはずだ。富士トラムの開業時期は未発表だが、可能な限りリニア開業前の運行開始を目指すとしている。
ゴムタイヤ式の富士トラムへの転換で、環境面やコスト面での課題は概ねクリアできたと話す和泉氏。国内外から訪れるハイカーや登山者にとってのデメリットは現段階では考えられないと言う。
懸念材料を強いて挙げるとするなら、運賃をどこまで抑えることができるのか、またリニア開業前までに実現できるのか、といった点にあるだろうか。
現況では未知数の部分が多いものの、ゴムタイヤ式の富士トラム構想は、ハイカーだけでなく観光客やインバウンドの外国人にとっても大きな関心事の一つ。今後の動向に注目したい。