■桃太郎伝説と秀麗富嶽を求めて!「九鬼山」登山レポ
●禾生駅から天狗岩の大展望目指す
禾生駅へは、JR中央本線・大月駅で富士急行線に乗り換え、3駅10分。駅周辺には買い物に便利なスーパーマーケットがあるが、登山口からは離れてしまう。準備は事前に整えておこう。
駅前を走る国道139号沿いに進み、徒歩10分ほどの九鬼山登山口を目指す。一本道なうえ、定期的に案内看板があるので安心だ。ちなみに登山口付近の集落の地名も「九鬼」という。
登山口に到着すると、早速「杉山新道コース」と「愛宕神社コース」の二股にコースが分岐する。両者の差は10分ほどなので、今回は愛宕神社コースを選択した。
しばらく進むと、九鬼山に進む道と、田野倉(たのくら)駅へ降りる道の分岐がある。体力や体調に不安を感じたときは、無理せず下りるのも大事だ。九鬼山山頂へは、分岐点から45分ほどの道のりだが、途中に「天狗岩(てんぐいわ)」という見晴らしのいいスポットがあるので、立ち寄りたい。登山道の真ん中に案内板があるので、見落とすこともないだろう。
●天狗岩から九鬼山山頂へ
天狗岩を出発したら、10分ほどで「富士見平」というピークがあり、それを越えたら間もなく九鬼山山頂だ。
標高は1,000mにも満たない低山の部類だが、その眺望は「秀麗富獄十二景」にも選ばれるのも納得の美しさ。山頂にはベンチが設けられているので、その景色をゆっくりと楽しもう。桃太郎に負かされ、九鬼山に逃げ込んだ鬼たちもこの景色に心奪われ、足を止めてしまったかもしれない。
●礼金峠を経て、田野倉駅へ下山開始
山頂の景色を堪能したら、田野倉駅方面へと下山開始だ。緩やかで歩きやすい下りの道が続くが、一部砂利に覆われた滑りやすい細道があるので、気を抜かずに進もう。
コースは特に分岐のない一本道で、看板も多く設置されているので道迷いの心配は少ない。礼金峠(ふだかねとうげ)までの中間には、見晴らしのいいスペースがあるので小休止を挟もう。山頂から約1時間で礼金峠の分岐に到着する。ここからは田野倉駅のほか、猿橋駅へと下りるコースもあるが、かなりのロングコースとなるので、田野倉駅方面に向かおう。
■桃太郎伝説の見どころ・おすすめスポット
今回、大月桃太郎伝説ゆかりの山の1つ、「九鬼山」にスポットを当てて紹介した。この他にも、鬼の住処とされる岩殿山(いわどのさん)の「鬼の洞窟」や、鬼の血で染まる「子神神社(しょうじんじんじゃ)」の赤土。さらには「鬼の石杖」が地に突き刺さり現存するスポットなど、大月市周辺には桃太郎伝説にまつわる名所や地名がいくつもある。
大月駅前の観光案内所では、大月市観光協会が発行している「大月桃太郎伝説の里あるきMAP」が無料配布されおり、さまざまなゆかりの地が余すことなく紹介されている。
ぜひ地図を片手に、桃太郎と鬼たちの軌跡を辿ってみてはいかがだろうか。