美しい景観の中で渓流魚と出会えるのが、渓流ルアーフィッシングの魅力だ。魚がルアーを追いかける「チェイス」を目撃すれば、興奮を覚えること必至である。

 今回は、初心者でも渓流の醍醐味が楽しめるエリア「魚野川キャッチ&リリース区間(以下C&R区間)」で、2024年8月上旬に筆者が実際にルアーフィッシングに訪れた模様を紹介する。

■魚野川C&R区間

魚野川C&R区間の中間地点付近

 魚野川は新潟県の中部を流れる一級河川で、魚の数が非常に豊富であることが名前の由来になっている説もあるほど、渓流魚に恵まれたフィールドだ。関東方面からのアクセスもよく、魚野川C&R区間は関越道・塩沢石打ICから車で10分以内の好立地。 

■美しい景観と清冽な流れ 

駐車スペースのある、C&R区間下限の五十嵐橋付近

 整備された駐車スペースから川に降り立つと、すぐに自然渓流らしい美しい景観が現れた。平地を流れる里川の雰囲気で、山歩きを要する山岳渓流ではない。この景観の中で釣りができるというだけで訪れる価値はあるだろう。

 上流に向かって釣り歩いていくと、「渓流魚が潜んでいそう」と思うようなポイントが次々と出現する。美しい景観の中で魚を探して歩き回る、渓流釣りの醍醐味を十分に感じることができた。

■渓流魚の反応は?

筆者が釣り上げたヤマメ。魚体側面の「パーマーク」が非常に美しい

 C&R区間では「魚を保護するレギュレーション」も定められていることから魚の量は豊富で、「ここに魚がいそう」と思うスポットにルアーをキャストすると、その期待を裏切ることなく渓流魚の反応を得ることができた。

 しかしながら、筆者が釣りをしたのが真夏であったのと、水温の高い日中ということもあってか、なかなかヒットまでには至らなかった。

 唯一の釣果となったヤマメは、パーマークと呼ばれる魚体側面の模様がくっきりとしていて大変美しい個体だった。腰ほどの水深が50mくらい続く直線的な流れでヒットしたのだが、変化に富んだスポットではなかったこともあり、魚がいるとは思わず予想外で焦ったが、なんとかネットに取り込むことができた。

 結果的には期待していたほどの釣果はなかったが、秋に向かうにつれ水温が下がれば、より釣果が得られるだろう。