■9合目付近からは荒涼とした景色に

9合目を過ぎると火山らしい景色になってくる 

 9合目を過ぎると山容が変わってくる。視界が開けてくると中禅寺湖や戦場ヶ原(せんじょうがはら)を眼下に望み、お隣の百名山「日光白根山(にっこうしらねさん)」の眺めもすばらしい。

 男体山は成層火山で、ほぼ同一の火口から噴火を繰り返し、溶岩など噴出物が積み重なり形成されている。男体山の最後の噴火は約7千年前とされており、成層火山の特徴でもあるきれいな円錐状の山容になっている。

 9合目から山頂までは眺望はよくなり、つい見惚れてしまうが、ここから山頂まではザレ場が続き油断のできない区間だ。

火山であることを実感できる、荒々しい火山特有の風景

 景色を楽しみたいところだが、眺めを満喫するのは山頂に到着してからにするとして、滑らないようしっかりと足元に集中して山頂を目指そう。

■鳥居が見えてくるとゴール!  二荒山大神御神剣は山頂のシンボル

標識の奥にある山頂には、男体山のシンボルとも言える二荒山大神の御神剣が刺さっている

 鳥居が見えてくるといよいよゴールだ。山頂にある二荒山大神の御神剣は大人の身長を遥かに凌ぐ高さで、実際に触れることも可能。間近でみると迫力を感じる剣だ。

 二荒山神社の奥宮で礼拝を済ませ、登拝は完了となる。山頂には十分なスペースがあるので、気に入った景色を見つけてゆっくりと眺望を楽しもう。

山頂で景色を満喫しながら食べるご飯。至福の時間だ

 筆者が訪れた時はあいにく雲が多く、眺望は限られてしまったが、晴れていれば燧ヶ岳(ひうちがたけ)や至仏山、会津駒ヶ岳など、360度パノラマが広がる。

 二荒山神社から男体山山頂までは標高差が1,200m以上もあり、富士山やアルプスにも匹敵する標高差のため、体力を要する。

 だがその分、登頂できた時の達成感は大きい。山頂からの絶景を求め、ぜひ男体山にチャレンジしてみてほしい。

●登山ルート

日光二荒山神社⇒(1時間15分)⇒4合目⇒(1時間40分)⇒8合目⇒(50分)⇒男体山山頂⇒(40分)⇒8合目⇒(1時間10分)⇒4合目⇒(55分)⇒日光二荒山神社

●【MAP】日光二荒山神社

住所 栃木県日光市山内2307

ホームページURL:http://www.futarasan.jp/

●アクセス

東北道・宇都宮ICから日光宇都宮道路を経由し約30分(28.3km)