歩行者が見えない! 対向車が見えない! 北海道の冬の街中は雪の山で危険がいっぱい

 筆者が暮らす札幌市の人口は約200万人。人口規模では我が国第5の都市だ。冬になると約5mもの雪が降るが、これだけの雪国でこの規模の人口は世界的に見ても珍しいそうだ。そのため、札幌市の除雪・排雪技術は世界一とも言われている。

 「除雪」と「排雪」は何が違うのか。降雪量の少ない地域や、雪なし県の方には馴染みのない言葉かもしれない。

 「除雪」はいわゆる「雪かき」。歩道や車道に積もった雪を両脇にかきわけて積み上げるのが一般的だ。除雪作業で作られた高さ2mにも及ぶ雪の山や壁は、まさに街中の死角。道路が塞がれ見通しは悪くなり、ドライバーや歩行者にとって大変危険だ。

排雪作業の後は視界が開けて車道が広くなる

 「排雪」は除雪で作られた雪の山や壁を重機で取り除き、定められた場所に運ぶこと。大型トラックにたくさんの雪が積み込まれるのは昼夜問わずよく目にする光景だが、そのトラックがどこに向かうのか? 今回は目的地である「雪堆積場」を取材した。