■釣りあげた魚、どうしてる?

 海釣りの醍醐味の一つに、魚を釣りあげた瞬間の興奮と喜びがある。その感触を手で触って感じることは、誰しもが体験したくなるもの。しかし、安易に素手で触るのはNGだ。釣れる魚には毒を持つものもいるからだ。「見たことのない大きな魚が釣れた!」 しかし触れたとたん、手に痛みが走る…… なんてことになれば釣りの楽しさは半減どころではなくなってしまう。

人気のターゲット「カサゴ」も顔まわりとヒレに毒を持つ(撮影:森本 昌樹)

■実はその魚、毒があるかも!?

 海釣りの動画や写真でよく目にする魚であっても、実はその背ビレや棘(とげ)に毒を持つものがおり、触れた直後に痛みや炎症を引き起こすことがある。特に鮮やかな体色を持つ魚ほど要注意!  一瞬の楽しさの代償として、怪我をする可能性があることを理解しておこう。

美しい魚ほど毒を持つ可能性があるので要注意!  アイゴは棘がささると数日激痛が残ることも!(撮影:森本 昌樹)

■どんな魚が毒を持っているのか?

 毒を持つ魚には、“刺毒(しどく)”、“咬毒(こうどく)”、フグ毒やパリトキシン毒のような“食中毒(しょくちゅうどく)”がある。とにかく、刺されたり、刺激や痛みを感じたら、すぐに最寄りの病院で診てもらおう。これらの毒は、刺されたり、咬まれたり、食したりすることで人体に影響を及ぼす。釣り場で気を付けたい毒を持つ魚の主な種類と、その毒の特徴を解説し、釣りあげたあとの処置、刺された場合の応急処置について、表1と表2にまとめてみたので参考にして欲しい。

表1  よく釣れる毒を持つ魚リスト(触ると危険な魚)

表2  よく釣れる毒を持つ魚リスト(食べると危険な魚)

●釣れた魚を観察・記録しよう!

 見たことのない種類の魚が釣れたら、特に背ビレや腹ビレ、また体内に毒を有する可能性に考慮して観察しよう。不明の魚が釣れたときの対応として、やってみてほしいことを3点示す。

1. 観察と記録
即座に写真を撮り、魚の特徴や外見を記録する。体の模様、鱗のパターン、背ビレ、腹ビレ、色合いなど、できるだけ多くの情報を収集。これは後で魚の正確な種類を特定するために役立つ。

2. アプリ検索
スマートフォンアプリとして、画像からAIが該当の魚を判定するものもある。馬鹿にすることなかれ!  かなり精度は高く、専門家なみに魚の種類や特性について貴重な情報を入手できる。

3. 毒の潜在的なリスクへの注意
特に背ビレや腹ビレに鋭い針や棘がある場合、毒を持つ可能性があることに注意し、魚を触る際には手袋を着用し、慎重に扱う。毒のリスクを最小限に抑えるために注意を怠らないようにしよう。