低山だからといって、必ずしも楽に登れるってことにはならない。山頂までの行程がものすごく遠いことはザラにあることだし、技術や経験が必要な難路の場合だってある。人が入らず廃れている道は、生い茂った植物が行く手を阻み、動物の気配も濃い。観光開発された山ばかりではないから、ぬかりなく調査して準備をする必要がある。それが低山だ。

 しかしながら、初心者にもチャレンジしやすい山というのは、確かに低い山に多い。行程が短かいコースや、歩きやすく整備された登山道、人が多いことも安心材料になるだろう。もちろん山だから、ちょっとは頑張る必要はあるけれど。

 ということで、前編に引き続き、今回も川の絶景を楽しめる低山を選んだ。初心者にもおすすめできる、岐阜の遠見山である。数年前にバズった「岐阜のグランドキャニオン」の眺めで知られる、あの山だ。

■【登山初心者におすすめ】岐阜県川辺町の遠見山と「グランドキャニオン」

遠見山の見晴らし岩からの展望。これが岐阜のグランドキャニオンだ

 岐阜県の川辺町といえば、その名の通り、町域を南北に縦断する飛騨川の風景が素晴らしい。川の右岸と左岸それぞれに個性的な低山がひしめいており、町の最高地点は標高632mの納古山(のこやま)である。富山と名古屋を結ぶ国道41号が飛騨川に沿って敷かれており、古くから交通の要衝でもあった。

 ぼくはその昔、下呂温泉からこの道を車で南下しつつ、周辺の低山をいくつか訪ね歩いたことがあった。そのときの最大のお目当てはまさに納古山で、山頂に広がる全方位の展望が素晴らしすぎた。納古山は木曽御嶽や白山がよく見える山としても知られており、いつか見てみたいと思っていた絶景を前に、心から感動したことを覚えている。