10月に入りようやく秋らしさが感じられるようになってきた。これでやっと秋の予定について考えられるようになり、北海道への初めての釣り遠征を計画している方もいるのではないだろうか。しかし、初めて訪れる場所というのはいろいろと分からないことが多く、悩みが尽きないもの。

 「北海道らしい自然を満喫できる釣り場だろうか?」「宿泊先から釣り場まではスムーズに行けるだろうか?」「朝食や昼食はどこで調達すればいい?」そして何より「いい魚は釣れるだろうか?」……etc.

 これらは遠征先を決める際に必ずといっていいほど出てくる悩みや条件で、頭を悩ませているアングラーも多いかもしれない。

 そこで今回は、初めての北海道で遠征先を決めかねている初心者アングラーに向けて、道東にある「阿寒湖(あかんこ)」を紹介したいと思う。

 筆者は毎年とまではいかないものの、阿寒湖には15年以上通っているため、素晴らしさはよく理解しているつもりである。阿寒湖がなぜ初めての遠征先としておすすめなのか? その理由について詳しく説明するので、ぜひ最後まで目を通していただきたい。

■北海道ならではの大自然の中、釣りが楽しめる

北海道ならではの景色を眺めながら釣りが楽しめる(撮影:水卜 ヤマト)

 憧れの地である北海道に行くのだから、本州では見られない大自然の中で釣りを楽しみたいと思うのは当然のこと。そして、そんな釣り人の願いを叶えてくれるフィールドが阿寒湖である。

 阿寒湖は北海道の東部に位置する阿寒摩周国立公園にあるカルデラ湖(堰止湖とされる場合もある)。湖を含めた周辺一帯が国立公園の特別保護地区ならびに、特別地域に指定されていることから、開発には厳しい制限がかけられている。このため現在でも手付かずの自然が色濃く残されている、とても貴重なフィールドである。

阿寒湖は阿寒摩周国立公園内にあるカルデラ湖

 湖の周囲は、エゾマツやトドマツ(国内では北海道だけに分布する針葉樹)、ミズナラやハンノキ(本州でもお馴染みの落葉広葉樹)などからなる深い森で覆われており、まるで北米のカナダやアラスカにでもやってきたかのよう。本州では決して見ることのできないその景色を目の当たりにすれば、阿寒湖にやってきて本当によかったと心の底から思えるはずである。

(※ 阿寒湖周辺にはヒグマも生息しているので、釣行の際はしっかりとした対策が必要)

■釣り人にとって至れり尽くせりのフィールド

阿寒湖温泉街は湖のすぐ横にある(撮影:水卜 ヤマト)

 釣り人が手にしたいと思う魚は、簡単には足を運べない大自然の中に生息していることが多いもの。そういったフィールドは宿のある市街地からは遠く離れた場所にあることが多く、現地までに大変な時間を要してしまう。しかもそれが土地勘のない遠征先ならばなおさらで、移動時間がかかってしまい肝心の釣りがほとんどできず釣果が得られないという結果も……。

 その点、阿寒湖なら心配は不要である。というのも釣り人の宿泊地である「阿寒湖温泉」が釣り場のすぐ横にあるからだ。そのほかにも阿寒湖温泉には、アングラーにとってありがたい施設が揃っており、しかもそれらが東西わずか1km(徒歩で15分)の範囲内に集中。すべてが徒歩圏内にあるのだから、これほど便利なことはないだろう。

阿寒湖温泉街には釣り人にとって嬉しい施設が数多くある

【阿寒湖温泉街にあるアングラーにとって嬉しい施設】
・フィッシングランド阿寒(漁協直営の施設、遊漁券販売、渡船・ガイドサービスなどの手配)
・宿泊施設(ホテル、旅館、民宿)※釣りで濡れたウェーダー(胴長靴)を乾かす暖房室を備えた宿もある
・大駐車場(有料・無料)
・コンビニ(セイコーマート、セブンイレブン、ローソン)※ 一部店舗では遊漁券を販売
・ドラッグストア(ツルハドラッグ)
・飲食店(夜遅くまで営業している店は少ない)

フィッシングランド阿寒。遊漁券販売・渡船予約・ガイドサービスの手配を管理(撮影:水卜 ヤマト)

 そのほかにも、釣りとは直接関係ないが、以下のような観光施設も充実している。

・土産物店(まりもの里商店街(温泉街東エリア)、幸運の森商店街(温泉街西エリア))
・アイヌコタン(アイヌの人々が暮らす大きな集落。アイヌの伝統と文化を紹介する施設あり)
・観光船のりば(遊覧船の定期便あり)
(※上記は2023年9月時点の情報を元に記載)

 このように阿寒湖は釣り人にとってまさに至れり尽くせりのフィールドなのである。

阿寒湖温泉街に軒を連ねる土産物店(撮影:水卜 ヤマト)
土産物店では木彫りの商品が人気。名前を彫ってくれるサービスもある(撮影:水卜 ヤマト)