なくてはならない山小屋のライフライン「壊れたポンプ」を修理せよ(前編)

 光岳最新情報。

 台風6号が去ったと思っていたら、次なる台風が発生。静岡は直撃しそうな進路で心配していましたが、少し逸れてくれて、ひと安心しました。

 今回に限らず、台風後は無理のない山行計画を。「台風一過で晴れる!」と思っても、南アルプスは地質がもろい山域なので、雨の後の晴天時に土砂崩れが起きる危険もあります。くれぐれも注意してくださいね。

■荷上げ作業も終盤。ポンプ交換作業も順調な様子

85kgのポンプを運ぶ。斜面はなんと7人がかり!

 私の心配をよそに、小屋開け前の荷上げ作業は天候にも恵まれて順調に進み、壊れていたポンプの交換作業も問題なく進んでいる様子。こうも予定通りことが進むとは、計画って大事だな。準備8割って、このことか。段取りの悪いわたしなので、手伝ってくれた役場のみなさんの仕事ぶりが勉強になります。

 山小屋に限らずだけれど、それぞれが自分の役割を理解して個々の判断で動けるって、仕事においてはとても大事なことなのだな、と改めて感じる。「当たり前のことだ」と言われてしまいそうだけれど。

 わたしが「こうしたらいい」「ああしたらいい」と思っていても、スタッフたちは違うことを考えているかもしれないし。「スタッフたちが考えた方が、ずっと良い方法の時もよくあるよな」なんて、山での日々の仕事のことを思い出してみたり。

■頼れる仲間がいてくれて、なんだってできる気がしてくる

共有した時間が長いほど名残惜しい別れの時です

 というわけで、今回山小屋ではスタッフ高橋くんをリーダーに荷受けチームと、役場の皆さんによるポンプ交換チーム、南アルプスPR撮影チーム、3つのチームが同時進行で動いていた。これはわたしが心配になるのもわかるでしょう?

 しかし、スタッフ代表の高橋くんは焦らない男。空腹時を除き、穏やかな性格の人である。ともちゃんはああだ、こうだと言わなくとも、かゆいところに手を伸ばしてくれるおしゃれ番長。わたしの足りない部分を埋めてくれる2人が小屋にいてくれるのは、とても心強い。

 荷上げのお手伝いに来てくれた人たちもいる。貴重な休みなのに、東京と愛知から駆けつけてくれたチームテカリ(わたしは彼らのことを勝手にそう呼んでいる)のお2人。こんな遠い山にわざわざ手伝いにきてくれる気持ちが嬉しい。登山口から2、3時間の場所ならまだしも、うちは8時間もかかるうえ、登山口までも遠いのだ。

 毎回、小屋開け閉め作業に来てくれて誰よりもテカリ歴の長いあの人と、昨年の水のトラブルの時に逆止弁を運んでくれたあの人である。一度の関係で終わらない、この場所で、また時間を共有できることが嬉しい。