春から放送されている高知県が舞台のNHK連続テレビ小説『らんまん』もまもなくクライマックス。ドラマが放送されてから、観光客も増え盛り上がっている高知県だが、これからのシーズンは1年で一番県民がワクワクするシーズンとなる。その理由は、カツオが一番美味しいといわれている「戻り鰹(もどりがつお)」が旬を迎えるからだ。

 カツオは1年に2回旬がある。春の初鰹(はつがつお)と秋の戻り鰹である。初鰹はさっぱりとした味わいで、戻り鰹は夏の期間に栄養をしっかり取り、脂がのっているのが特徴だ。戻り鰹は例年なら9~11月頃に出回るが、筆者がいつも行く鮮魚店のカツオは2度目の旬を迎える前なのにすでに戻り鰹と変わらない脂のノリ具合で、戻り鰹に近い味わいに感じた。

 そんな高知では定番カツオのタタキ以外にも食べ方がいろいろある。今回は高知県民だからこそ知っているカツオをアレンジしたローカルグルメを紹介したい。

■高知県民はカツオが大好き!

高知県民の宴会の席ではカツオは欠かせない食べものだ(撮影:西野くに)

 高知県を訪れる際に、カツオを楽しみにしている人も多いだろう。高知在住の筆者も観光客や友人にカツオが美味しいお店を聞かれることが頻繁にある。実際のところ、高知県のカツオ1人当たりの消費量は、全国でダントツ1位。全国平均では年間821gの消費量に対し、高知県は2位の福島県とは倍以上の差をつけ、4182gだ(※1)。それほど、高知県民にはカツオ好きが多く、日常食となっている。

※1. 2020~2022年平均の品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキングより(総務省実施)