長野県東部、北八ヶ岳の東麓にあたる標高約1,500mに広がるのが八千穂(やちほ)高原です。日本一美しいと言われる白樺林で、レンゲツツジの花が見頃を迎えています。

 信州のイメージにぴったりとはまる初夏の高原へ、花々に誘われるように出かけてみたところ、期待以上に充実した散策ができました。

■レンゲツツジと白樺の爽やかな競演! 花木園

「日本一 白樺群生地」の看板を発見!
白樺とレンゲツツジ:車を走らせ標高を上げていくと、周囲に白樺が目立つように。レンゲツツジの花も咲き誇っています
花木園の入り口に建つ建物。ここで入園料を払い、散策のスタートです

 建設途中である「中部横断道」の終点、八千穂高原ICで降り、国道292号線(メルヘン街道)を山へと向かって上がっていきます。15分ほど経つと、白樺林の中にちらほらと鮮烈な赤が見え隠れします。レンゲツツジです。

 八千穂高原一帯は、その昔牧場だったというだけあって緩やかな地形ですが、今は数多くの樹木が織りなす、緑豊かな林となっています。車道沿いの景色も素晴らしいのですが、せっかくなので道路を挟んで向かい合う2つの自然園を歩くことに。まずは花木(かぼく)園へ。

レンゲツツジが目当てなら、入り口付近が一番ボリュームがあります
入ってすぐの足元ではスズランも花をつけていました

 入り口を入るとすぐ、お目当てのレンゲツツジの群落が迎えてくれます。日差しを浴び、オレンジがかった赤が燃えるように目に飛び込んできます。若々しい緑の葉を付けた白樺(シラカバ・しらかんば)と見事なコントラストで、爽やかな高原のイメージを見事に演出してくれているかのよう。まだ蕾も2割くらいありました(取材日:2023年6月7日)。

白い幹が印象的な白樺は爽やかなイメージですね

 ちなみに白樺(シラカバ、しらかんば)は、ブナやミズナラの日当たりの良い温帯林に生える落葉高木で、その名の通り白い樹皮に覆われた幹が特徴的ですね。本州では中部以北の高原に多く見られます。長野県の県木にも指定されています。一方、レンゲツツジはツツジ科ツツジ属の落葉低木で、蓮華(ハスの花)に似た花が初夏の高原を色鮮やかに染め上げます。

明るい林は歩いていても気持ちいいです

 澄んだ空気を思いっきり吸い込みつつ、リズムよく明るい林の中を歩きます。レンゲツツジに囲まれた散策は心華やぐひとときです。ときおり、足元にも目を向けると、ベニバナイチヤクソウが道端を彩っていました。

サラサドウダンツツジのトンネル。見上げると小さな可愛い花がいっぱい
道端の草むらから顔を出すベニバナイチヤクソウ

花木園:https://yachiho-kogen.jp/article/kabokuen/                         開園時間:8:30〜17:00(受付16:20)
入園料:大人税込200円・共通券:税込420円