例年よりも、今年の桜前線はだいぶ早足で走り去っていきましたが、場所を選べば山のお花見はまだまだ楽しめます。

 今の時期に桜とそれ以外の花も楽しめる欲張りな山、西丹沢の畦ヶ丸山(標高1292m)の花々の開花状況をレポートします。

■山の桜も例年よりも早く終盤戦へ

桜の花とアセビの緑が山頂直下の稜線に色を与えている

 畦ヶ丸山山頂へと続く稜線上は、新緑が芽吹く直前といった雰囲気です。まだ、春色に染まる前の色彩に乏しい稜線ですが、そこによく見慣れたソメイヨシノとは違い、慎ましやかに咲く山の桜が点在しています。

桜の樹種による違いを観察するのも面白い

 樹種はヤマザクラ、マメザクラなど。日本の固有種、オオシマザクラも咲いています。見頃は少し過ぎた感がありますが、探せばまだお花見気分が味わえるくらいの桜を見つけられます。

 厳しい山中の環境で咲く、可憐な姿を探してみましょう。

■桜の前後で楽しめる花々

アセビがこれでもかと言わんばかりの満開
山頂と大滝峠のあいだは、ちょうど桜が見頃だった

 畦ヶ丸山のいいところは、桜が終わっても次なる花が楽しめるところ。

 現在は、馬酔木(アセビ)の真っ白な花が満開です。稜線に上る手前くらいからが、ちょうど見頃を迎えています。アセビには毒があるため、鹿に食べられないからか、非常に立派な株が目立ちます。