寒さが和らぎ活動的になる季節。春や夏の休日、アウトドアスポットやレジャーの計画で、行き先に迷うことはないだろうか。

 今回は家族で出かけたい方、体を動かしたい方におすすめのアニメ『弱虫ペダル』の舞台にもなった、伊豆の「自転車の国 サイクルスポーツセンター」を紹介する。

 熱海から車で30分程の山の上にあり、700台収容できる大きな駐車場も完備している。休日などには、修善寺駅から朝・夕それぞれ1本ずつバスが運行し、乗車時間は20分程で片道500円。公共交通機関で行けるのもうれしい。

■アニメ『弱虫ペダル』のインターハイ合宿コースとは?

「5キロサーキット」を並んで走行6人でも余裕の道幅(撮影:坪井 千晶)

 ロードバイクが広まるきっかけとなったアニメ『弱虫ペダル』。

 運動部とは無縁だった主人公がロードバイクと出会い、才能を開花させる物語だ。ロードバイクに乗る時の細かな描写が表現され、登場するロードバイクやコースは実在するものが描かれている。そのため、聖地巡りも人気だ。

 アニメの中で、重要なインターハイ出場メンバーを決める合宿の舞台となったのが、この「5キロサーキット」だ。アニメの中では、このコースを「4日間で200周」するという課題が出され、多くのドラマが生まれ、キャラクター達を成長させた。弱ペダファンなら、一度は走ってみたいコースである。

景色のいい5キロサーキットの下り坂(撮影:坪井 千晶)

 アップダウンやカーブが多いが道幅が広く、初心者でも安全に走行できるよう配慮されている。また、リニューアルオープンに伴い、道の段差や亀裂が補修されたため走りやすい。

 自分のロードバイクはもちろん、1時間800円で本格ロードバイクやクロスバイクがレンタルできるので、ロードバイクを持っていない方も楽しめる。

 サーキットを走るのは初めてだったが、車や歩行者を気にせず走れるのは快適でとても気持ちがいい。苦しい登りも多いが、下り坂ではスピードが出やすく、初めは恐怖心もあったが1周するころには慣れ、ロードバイクをはじめて数ヵ月の筆者でも時速50Kmに到達し、疾走感を楽しめた。

 スピードが速くなるほど、道から伝わる振動が大きくなる。初心者の筆者は、振り落とされないようロードバイクにしがみついていた。

 カーブを安全に曲がるためブレーキをかけたが、ベテランライダーはスピードに乗ったまま巧みにカーブをクリアする。見よう見まねで挑戦してみるが、やはり大きく膨らんでしまい、ブレーキをかけてしまった。このような下りのカーブ練習は、車の往来がないサーキットだからこそできるのだ。

 もっと練習したかったが、上りが苦手ということもあり、5周でバテてしまった。アニメ『弱虫ペダル』の200周走破はまさに偉業だ。

建物からサーキットのホームストレートが見下ろせる(撮影:坪井 千晶)

 サーキットは、一般利用だけでなく、毎月のようにレースが開催されている。レースではトップ選手に周回差をつけられると規定の周回を走り切ることができないため、周回を走り切ることが初心者にとって最初の目標となる。

ホームストレートでのレース終盤のスプリント(撮影:坪井 千晶)

 レースの後は、元プロの講習を受けられるとあって、これからロードバイクで速くなりたい人も多く参加している。

 小学生のレースもあり、子どもに自転車を勧めたい方はレース観戦もおすすめだ。