2023年4月1日(土)。この日を今か今かと心待ちにしているのが、全国のトラウトアングラーたちだ。トラウトフィッシングのメッカである栃木県奥日光の中禅寺湖(ちゅうぜんじこ)が、解禁を迎える日だ。長い冬が明け、魚も人間も持て余していたパワーを解き放つ時がやってきた。

 2022年(昨シーズン)の釣行を基に、レイクトラウトの釣りを紹介したい。

■レイクトラウトとはこんな魚

 レイクトラウトは北米原産、冷水性のイワナの仲間。イワナの中では最も大きくなり、1mを超える個体もいる。1966年にカナダから移入されたのが自然繁殖し、日本国内では中禅寺湖にのみ生息している。

 エラから尾ビレにかけては白い斑点模様、背中側は白い虫喰いのような模様で覆われており、体色は茶色や緑がかったのが多いのが特徴。

■中禅寺湖とは

 標高1,269mと、人造湖を除く広さ4平方キロメートル以上の湖では、日本一高い場所にある湖。周囲約25km、最大水深約163mで、おおよそ2万年前に男体山の噴火による溶岩で渓谷がせき止められ、湖の原型ができたといわれている。国際的避暑地として栄えた歴史もあり、湖の周辺にはフランス、ベルギー、イタリア大使館の旧別荘などが並んでいる。

中禅寺湖越しに見る男体山(撮影:新井夏海)

 日光市内と中禅寺湖は「いろは坂」という道路で結ばれている。下り専用の第一いろは坂と、上り専用の第二いろは坂、2つの坂には合計48もの急カーブがあり、「いろは48音」になぞらえてこの名がついた。全長は15.8km、標高差は440mもある。急カーブが続くため、車酔いしやすい人は酔い止めを飲んでおこう。

カーナビからも「いろは坂」のグネグネとした急カーブの続く様子がわかる(撮影:新井夏海)

 いろは坂を登る前にコンビニでアイスカフェオレを買ったのだが、標高差が大きすぎてストローからカフェオレが噴出し続けるアクシデントが……。標高差が生み出すアクシデントは予想外のことが多いので、皆さんも気をつけてほしい。