円安や資源高などで電気料金が上がり続け、家計を圧迫している。中でも暖房、エアコン使用が電気代に占める割合は大きい。電気代を抑えて暖を取る方法はいくつかあるが、効果が高いのが「部屋で張ったテントの中で寝る」ことだ。福井県大野市の、空き家を活用した民泊の宿で実践している方法を紹介する。

■テントは保温効果が高い

  真冬と比べると寒さは峠を越えたとはいえ、夜間、特に朝方はまだまだ冷える。電気料金は上がる一方、従来のようにエアコンを使っていると電気代が大変なことになる。とはいえ、灯油ファンヒーターもそれなりに燃料代がかかるし、電気毛布などは苦手という人も少なくない。

 山でテント泊をしたことのある人は、外に比べてテントの中が暖かいことにほっとした経験があるだろう。雨風をしのげるということもあるが、テントは保温効果が高く、中にいる人の体温だけでも結構な暖かさとなる。

豪雪地帯にある民泊の宿「ねこばやし」(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

■空き家を活用した大野の民泊の宿「ねこばやし」で実践

 福井県大野市は内陸部にあり、日中と夜間の気温差が激しい。米や里芋などの名産品を育むこの気象条件は、人間にとっては厳しい。

日本百名山「荒島岳」(あらしまだけ)のふもと(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 この地にある「ねこばやし」は、築66年の民家をそのまま活用した民泊の宿だ。道の駅「越前おおの 荒島の郷」(あらしまのさと)からすぐ近くで、大野市内でも雪の多いエリアだ。

 冬、特に1階の和室はかなり冷える。灯油ファンヒーターなどを使って室内を暖めることもできるが、就寝時には使いたくないという宿泊客もいるので、希望があれば宿が1人用テントを貸し出しており、その中で寝ることもできる。

■実際の気温差以上に、体感温度が暖かく感じる

テントは通販で購入されたもの。特別に高機能なものではない(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 テントの中に入り、入口を閉める。テントにはベンチレーターがついているので完全に閉め切っても酸欠になることはない。もちろん入ってすぐに気温が上がるわけではないのだが、寒さをそれほど感じないというか、体温が逃げていく感じがしない。

この日、テントの外は3℃(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 横になっていると体温がテントの中にこもり、時間の経過とともに暖かくなる。暖房をつけたときのように気温が大幅に上がるわけではないが、布団と毛布をかぶればちょうどいいくらいだ。朝方になっても冷えこむことはない。テントで寝た宿泊客も一様によく眠れたと言う。テントを設置できるスペースがあるのなら、寒さ対策におすすめだ。

プライベートな空間を確保できる(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 また、和室なのでビジネスホテルのように1人1室形式ではないのだが、1人用テントを使えばある程度プライバシーを確保できるという利点もある。