2022年よりレトロブームが昭和を知らない若い世代にヒットしている。ノスタルジックな純喫茶やクリームソーダ、昭和世代の中年である筆者が10代の頃ワクワクしながら読んだバスケ漫画「スラムダンク」が2022年12月公開の映画「THE FIRST SLAM DUNK」として大ヒットしているのもその一例ではないだろうか。

 昭和レトロや平成レトロとして、良い物や文化に対して再度脚光を浴びるのは、当時を知る昭和世代の者として嬉しい限りだ。そこで、昭和世代で42歳の筆者が昭和・平成・令和と時代を超えて一生大切にしたいと愛用しているおすすめの道具を紹介しよう。

■Nikon FM3A<MFフィルムカメラ>

22年愛用している2001年に発売されたNikon最後のMFフィルムカメラ「FM3A」(撮影:大善亨)

 まずは、レトロブームの代表格と言える「一眼レフフィルムカメラ」。最近ではカメラ女子の間で「エモい写真が撮れる」と人気だ。

 筆者がおすすめするフィルムカメラはマニュアルフォーカスの一眼レフ。ワンタッチで高画質な画像が撮れるスマホやデジカメと違い、①フィルムを巻き上げる、②絞りとシャッタースピードを調整する、③シャッターを切るという動作が必要になる。

 その一連の動作には写真撮影の基礎や楽しさが凝縮されている。現像するまで結果が分からないというのも、撮った瞬間に結果が分かるスマホやデジカメとは違った味わいがある。FM3Aの前モデルと言えるFM2は写真学校の最初の教材として20年以上使われ続けていたという逸話もある。

 当時も今もお手軽さとはほど遠い一眼レフフィルムカメラだが、そこに流れる自分だけの時間軸というものに惚れてしまうアイテムだ。筆者は購入から22年間、MFフィルムカメラ「FM3A」を愛用している。

■レッドウィング <革靴>

筆者が2012年1月に購入した「レッドウィングのベックマン」(撮影:大善亨)
13年目を迎えた「レッドウィングのベックマン」(撮影:大善亨)

 続いてはアメカジの王道「レッドウィング」。1990年代にアメカジブームが到来した。中でもアイリッシュセッターというシリーズは爆発的な人気を誇った。若き日の木村拓哉やダウンタウンの浜ちゃんもカッコ良く履きこなしていたのが記憶に残っている。

 ただ、当時高校生だった筆者は憧れのレッドウィングを手にすることができなかった。人気もあり品薄であり高額だったからだ。社会人となり、街で見かけて惚れ込んで買ったのがレッドウィングのベックマンだった。ベックマンもアイリッシュセッターに負けず劣らず人気。フェザーストーンという革を使用しており、丁寧に手入れをすればまさに一生物のブーツだ。履けば履くほどに馴染んでいく。また、ソール部分の張り替えもできる。令和の時代もコイツで歩いて行きたい。