「さくらねこ」を知っていますか?

さくら開花前線のように、さくらねこが北上することを願って……

 毎年3月22日は、「さくら・にゃん・にゃん」の語呂合わせから「さくらねこの日」に制定されている。公益財団法人どうぶつ基金が制定。2019年(平成31年)に記念日として、一般社団法人日本記念日協会により認定・登録された。

 今から5年ほど前、島猫映画『Nyaha!』の撮影で野良猫たちを撮影しはじめた頃、那覇の町に耳が切れている猫がたくさんいることに気がついた。しかしそれは、「喧嘩をして耳が切れた猫」だと思い込んでいた。

 ほどなくして、その地域で活動している保護団体さんから、あの耳は避妊去勢手術をした猫の目印であること、手術で麻酔をした際にカットした耳がさくらの花びらのカタチをしていることから、「さくらねこ」と呼ばれていることを教わった。

これがさくらみみ。避妊去勢手術を受けた猫の目印だ
猫同士寄り添いながら、人間たちに見守られて暮らすさくらねこ

 彼らの撮影をしていると、今でも「あの猫は喧嘩したから耳が切れているんだよ」と、声をかけられることがある。

 そんな時はやんわりと、「さくらねこ」という存在についてお知らせするようにしている。

 あの耳は、人間に飼われて人間に捨てられた猫たちが、それでも人間と共に生きるために「一代限りの命」になった目印でもあるのに、それについて何も知らない人間は意外に多いのだ。

「さくらねこ」という名前が生まれた、石垣島のさくらねこ
海沿いにある公園の緑の中で、穏やかに暮らしている
さくらねこになっても、野性味がなくなるわけではない