■夏の車中泊、暑すぎる問題

夏はアクティビティには適しているが……

 北海道から本州に戻り一番驚いたのが、気温の高さ。北海道では蝦夷梅雨の影響もあり、少し肌寒さを感じることもあったが、本州に戻ってくると30度近い気温が連日続いた。海遊びや登山などのアクティビティは暑くても問題なかったが、一番困ったのが就寝時である。

 筆者たち夫婦は車内の暑さ対策をあまりしておらず、用意していたのは車内扇風機と夏用シーツだけ。そのため、日の出とともに汗だくで目覚める日々が続いていた。上記で紹介したスケジュールの起床時間が早いのはそのためである。夜に入浴しても起床時には汗で汚れているため、朝のシャワーへとシフトチェンジした。

 筆者たちは、標高が高いところで寝たり、海の近くで寝たりしてなんとか夏の間を凌ぐことができたが、熱中症など健康面を考えると同じようなやり方はあまりおすすめできない。真夏に車中泊をするなら、ポータブルクーラーなどを用意することを推奨する。

■寝る場所のない関東地方

都会になると施設の観光が多くなる(撮影地:豊田市美術館)

 都心に近づくにつれ、筆者たち夫婦の頭を悩ませたのが車中泊の場所問題だ。今までは車中泊を推奨している道の駅やRVパーク、オートキャンプ場などで車中泊をしていたが、都会はそのような場所が多くない。車中泊ができる場所まで長距離車を走らせたり、車中泊ができるコインパーキングを探したり、想定外の時間が取られてしまった。

 田舎での車中泊に慣れていたため、事前の下調べを怠ったのが大きな原因の一つ。車中泊で旅を考えている人は、観光場所だけでなく車を停める場所や寝る場所に関しての情報収集も事前にしておくことをおすすめする。

 日本一周車中泊旅のルートやスケジュール、珍事件を紹介した。この記事を参考に、多くの人に車の旅を楽しんでほしい。

 

「車中泊で日本一周夫婦」の実体験ルポ【中国・九州・沖縄編】