「マイナス10度の氷の世界はすべてが神秘的……」氷点下の早朝カヌー体験!【北海道・厳冬の釧路湿原レポート(1)塘路湖・アレキナイ川】

 

 「指先の感覚が麻痺してきた」

 そりゃそうだ。朝5時から極寒の釧路湿原でカヌーに乗っていたのだ。しかし、体感したのは寒さだけではない。この時期、ここでしか味わうことのできない芸術的ともいえる自然の姿をしっかりと目に焼き付けてきた。「国立公園におけるコンテンツ創出と利用のあり方を検討する」という目的で、真冬の道東にやってきた取材班は、釧路川支流のアレキナイ川での早朝カヌー体験を終え、次なる目的地シラルトロ湖へ向かった。

静寂が支配する早朝のカヌー体験。川面からは水蒸気が上がっていた

■塘路湖からシラルトロ湖へ

 釧路湿原にある比較的大きな湖沼のうち、最も大きい湖と知られるのが塘路湖で、次に大きいのがシラルトロ湖だ。塘路湖もシラルトロ湖もかつて海だった海跡湖だが、シラルトロ湖は”シラルトロ沼”とも言われていて、釧路湿原内にある湖沼の中でも水鳥の多い湖である。

 ここには「憩いの家」という標茶町の施設があり、現在改装中だ。もちろん施設の改装にも国立公園内という環境を考慮する必要がある。スクラップアンドビルドを繰り返してきた日本だが、既存の施設をリノベーションして再利用することはSDGsの考え方にも通じる。塘路・茅沼地区の宿泊施設は限られているので、貴重な存在となるだろう。

蝶の森遊歩道は湖に隣接する丘陵部にある

 シラルトロ湖の西側に位置する茅沼地区には、キャンプ場や温泉宿泊施設がある。湖に隣接する丘陵部には蝶の森遊歩道があり、スノーシュートレッキングも体験した。シラルトロ情報館から蝶の森展望台を往復する距離にして約2㎞のコースだ。比較的平坦な遊歩道ではあるが、積もったばかりの新雪を踏みしめながら歩くと、汗ばむほどに身体が温まる。体力に自信のない観光客でも大自然を存分に感じることができるだろう。

レンタルしたスノーシューを装着し、いざトレッキングへ

 結氷した湖の上も歩いた。湖上に積もった雪はもちろんパウダースノーだ。スノーシュートレッキングの醍醐味を実感できる。それにしてもなんという光景だろう。振り返ると、まっ白な雪原の上にスノーシューで歩いた足跡だけが残る。青い空と白い雪のコントラストがまさに冬の北海道という壮大な景観だ。

全面結氷したシラルトロ湖上にて