キャンプで必須アイテムの一つである寝袋。現在ではさまざまな有力アウトドアブランドから数多くの寝袋が販売されている。

 一見するとシンプルなため、どれを選んでも大差ないように思うかもしれないが、実は意外と奥深い。今回は初めて寝袋を購入する人に向けた外せないポイントを解説していく。

■購入時に見るべきポイントとは?

 寝袋を購入する際に見ておくとよいポイントは主に3つあるので、それらを順番に解説していく。

■寝心地がよいのは化学繊維。中綿の充填(じゅうてん)量がポイント

購入前に中綿の充填量を確認しよう(撮影:小松優太)

 寝袋を買う際に最初に気になるのは寝心地ではないだろうか。寝心地に大きく関わるのは中綿の素材だ。寝袋で使用される中綿は主に、化学繊維と羽毛(ダウン・フェザー)の2種類があるが、寝心地がよいのは化学繊維だ。

 羽毛の寝袋は寝た際につぶれがちになるが、化学繊維の寝袋はつぶれずに背中にフィットしやすい。また、中綿の充填量は600〜1500gと幅広いが、1200g以上のものであれば快適に寝やすい。中綿の充填量別に実際に寝てみた経験があるが、1200g以上のものは体にフィットし、明らかに寝心地が向上していた。

 一方で、化学繊維にもデメリットはある。化学繊維製の寝袋は収納してもそれほど小さくならず、持ち運びにくいといえる。 前述したような、中綿が1200g以上充填されているものは車での持ち運びが前提となるだろう。

 それに対して、羽毛は収納すると非常にコンパクトになるため持ち運びやすい。車はもちろん、バックパックに取り付けたり、自転車に積んだりして容易に移動できる。さらに、クローズドセルマットやインフレーターマットを下に敷くことで寝心地の向上も図れるだろう。

 寝心地を重視する人は化学繊維製、持ち運びのしやすさを重視するなら羽毛製の寝袋を選ぶのがよいだろう。