近年、緑豊かな風景は地方だけではなく、西武池袋本店屋上の「食と緑の空中庭園」のように、都心でも比較的手軽に見られるようになった。今回は、都内で自然に触れられる居心地のよい「都会のオアシス」的スポットを紹介。新宿駅から電車で40分以内(最短ルートで計算)に位置し、思い立ったときにすぐに訪れられるので、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

■西武池袋本店「食と緑の空中庭園」

「食と緑の空中庭園」の美しい睡蓮の庭(写真:ブラボーマウンテン編集部)

 JR池袋駅東口から徒歩2分の西武池袋本店、都会のど真ん中に位置するオアシスが9階屋上「食と緑の空中庭園」。庭園のシンボルでもある「睡蓮の庭」では四季折々の花が咲く。

 隣のフードカートエリアではうどんやピザなど、さまざまな料理を楽しめる。「チーズバーグドッグ」などの季節限定のメニューも見逃せない。夜には夏季限定(2022年は10月2日まで)のバーベキューテラスが開催され、バーベキューのほか中華や鍋、ビアガーデンが堪能できる。

 筆者が訪れたのは平日の昼間だったが、1人でくつろいだり友人同士で食事をする人が多く、居心地のよさと人気の高さが伺える。館内から空中庭園へ移動する際には、館内マップを確認しておくのがよいだろう。

花々が咲く睡蓮の庭(写真:ブラボーマウンテン編集部)

・住所:東京都豊島区南池袋1-28-1 9階
・営業時間:(5月・6月・9月)午前10時~午後10時、(7月・8月)午前10時~午後10時30分(一部ショップは除く)
・電話番号:03-3981-0111

公式サイト:https://www.sogo-seibu.jp/ikebukuro/roof_garden/

■新宿御苑

「新宿御苑」では、ピクニックを楽しむ人やレジャーシートの上で寝転ぶ人々が見られた(写真:いづ)

 JR新宿駅南口より徒歩10分の距離にある「新宿御苑」。散歩、花見やピクニック(飲酒は禁止)で人気のスポットだ。晴れた日にはレジャーシートの上で日光浴をしながら昼寝をする人もちらほら。

 約100種類の花々が咲くバラ花壇、チューリップや桜、紅葉や梅など季節によって色々な風景が見られるのが魅力。桜の季節など繁忙期は入園に事前予約が必要な場合もあるため、公式サイトを確認して出かけよう。

一面に雪がうっすらと積もった日の新宿御苑(写真:いづ)

住所:東京都新宿区内藤町11番地
営業時間:(10月1日~3月14日):9時~16時(16時30分閉園)
     (3月15日~9月30日):9時~17時30分(18時閉園)
     (7月1日~8月20日):9時~18時30分(19時閉園)
休園日:毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌平日、特別開園期間を除く)、年末年始(12月29日~1月3日)
電話番号:03-3350-0151
入園料:一般500円、65歳以上(身分証明書要提示)・学生(高校生以上・身分証明書要提示)250円、中学生以下無料
年間パスポート料:一般2000円、高校生1000円(身分証明書要提示)
注意事項:酒類持込禁止、喫煙禁止、遊具類使用禁止(こども広場除く)

公式サイト:http://www.env.go.jp/garden/shinjukugyoen/

 

■代々木公園

23区内の都立公園で5番目の広さを持つ代々木公園(写真:ブラボーマウンテン編集部)※周囲に配慮し立ち入り禁止区域外から撮影

 JR原宿駅から徒歩3分の好立地に位置する代々木公園は「都心で一番広い空がみられる森林公園」として親しまれている。ほかの公園と比べると、平日でもバードウォッチングやランニングをする人々、近隣の幼稚園・保育園児の散歩などで賑わっている印象だ。

 芝生やボランティアによって整備されたバラ花壇、秋に色づくケヤキ並木道など自然を感じながら広い空間でのびのび過ごせるのが魅力だ。工事や芝生整備の影響で一部区域が立ち入り禁止の場合があるため、公式サイトや園内のお知らせを事前に確認しておこう。

「代々木公園」では四季折々の花が見られる(写真:ブラボーマウンテン編集部)

住所:渋谷区代々木神園町、神南2丁目
開園日:常時開園(一部施設を除く)
電話番号:03-3469-6081(代々木公園サービスセンター)

公式サイト:https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index039.html

■国立科学博物館附属自然教育園

美しい自然の風景が見られる「国立科学博物館附属自然教育園」の水生植物園(画像提供:国立科学博物館附属自然教育園)

 JR・東急目黒線目黒駅から徒歩約9分、ビルが立ち並ぶ港区に位置する「国立科学博物館附属自然教育園」は、季節の草花や生き物を観察できる森林緑地。夏から秋にかけてはヤマユリやナデシコ、ヒガンバナが見られる。

 日常では見られない草花や生き物の観察はもちろん、都心とは思えない緑あふれる風景を眺めながら散歩するのもおすすめ。公式サイトでは定期的に見どころ情報が更新されているため、ぜひチェックしてみてほしい。

「国立科学博物館附属自然教育園」で観察できるカワセミ(画像提供:国立科学博物館附属自然教育園)
大都会の中に位置する国立科学博物館附属自然教育園(画像提供:国立科学博物館附属自然教育園)

住所:東京都港区白金台5-21-5
営業時間:9月1日~4月30日9時~16時30分(入園は16時まで)、5月1日~8月31日9時~17時(入園は16時まで)
休園日:毎週月曜日(祝日・休日の場合は開園し、火曜日が休園)、祝日の翌日(土日の場合は開園)、年末年始(12月28日~1月4日)
電話番号:03-3441-7176

公式サイト:https://ins.kahaku.go.jp/index.php

 

■等々力渓谷公園

「等々力渓谷公園」内の渓谷入口に立てられた利用上の注意の看板(写真:ブラボーマウンテン編集部)

 東急大井町線等々力駅から徒歩約3分に位置する、等々力渓谷公園内にあるのが東京23区内唯一の渓谷「等々力渓谷」。東京23区内とは思えない見渡す限りの緑で、木陰が多く夏でも涼しい避暑地にもなっている。

 渓谷内では、約30箇所以上から湧き水が発生し「東京の名湧水57選」にも選ばれるほどの水質を誇る。川の流れる音や野鳥の鳴き声を聴きながら歩くと、都会の喧騒を忘れ、気分もリフレッシュできるはず。

谷沢川が流れる等々力渓谷(写真:ブラボーマウンテン編集部)

住所:東京都世田谷区等々力1丁目22番、2丁目37から38番外
開園日:常時開園(日本庭園・書院を除く)

公式サイト:https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kusei/012/015/001/004/d00004247.html

■井の頭恩賜公園

「井の頭恩賜公園」の象徴ともいえる井の頭池(写真:ブラボーマウンテン編集部)

 JR・京王井の頭線吉祥寺駅から徒歩約5分、テレビドラマのロケ地としても有名な「井の頭恩賜公園(いのかしらおんしこうえん)」は、動物園・水生物園、美術館などさまざまな施設があり、見どころ満載。

 1人で春の桜や秋の紅葉を眺めながら散歩をするのもよし、家族で動物たちと触れ合うのもよし、友人とボートを楽しむのもよし。何度来ても、誰と来ても楽しめる引き出しの多さが井の頭恩賜公園の魅力だ。公園の近くにはオシャレなカフェや雑貨屋、古着屋が多く立ち並び、公園散歩とショッピング・グルメを同時に楽しめるのもポイント。

晴れた日にはボートが大人気の「井の頭恩賜公園」(写真:ブラボーマウンテン編集部)

住所:東京都武蔵野市御殿山1丁目、吉祥寺南町1丁目、三鷹市井の頭3・4・5丁目、下連雀1丁目、牟礼4丁目
開園日:常時開園(井の頭自然文化園など一部施設を除く)
電話番号:0422-47-6900(井の頭恩賜公園案内所)

公式サイト:https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/seibuk/inokashira/index.html

■小金井公園

草木いっぱいの広々とした「小金井公園」(写真:ブラボーマウンテン編集部)

 JR東小金井駅からCoCoバスと徒歩で約10分、面積約80ヘクタールの広さ(新宿御苑の約1.4倍)を誇る「小金井公園」。筆者は平日昼間に訪れたが、新宿御苑や代々木公園などの都心の公園に比べると、静かで穏やかな時間が流れていた。

 ドッグラン(登録制)やサイクリングコース、バーベキュー広場など、広い空間を活かした施設も多い。江戸時代の建造物や街並みが復元・展示された「江戸東京たてもの園」も、古き良き時代を思わせる風景が見られるとあって、人気の高い博物館となっている。

 駅からやや離れた位置にある公園だが、売店や茶屋があり、簡単な食事や喉を潤すことには困らない。また、500台以上が停められる有料駐車場があり、車でのアクセスもよい。

小金井公園には江戸時代の建造物や街並みが復元・展示された「江戸東京たてもの園」もある

小金井公園には江戸時代の建造物や街並みが復元・展示された「江戸東京たてもの園」もある

住所:東京都小金井市桜町3丁目、関野町1・2丁目、小平市花小金井南町3丁目、西東京市向台6丁目、武蔵野市桜堤3丁目
開園日:常時開園(江戸東京たてもの園など一部施設を除く)

公式サイト:https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index050.html

■ルール・マナーを守って豊かな自然に癒されよう

 池袋・新宿・原宿、都心でも豊かな自然に癒されること間違いなしのスポットはたくさんある。ただし、場所によっては整備・工事、新型コロナウイルスの影響で立ち入り禁止区域を設けている場合や、利用に一部制限をかけているところもある。各スポット公式サイトの最新情報を確認し、ルールやマナーを守って自然や周りの人への配慮を忘れず利用しよう。