筆者がソロキャンプを楽しむようになって、今年で4年目になる。昨年、新しいキャンプギアとしてタープを導入したのだが、その結果、私のソロキャンプの幅は大きく広がった。それまでは、”ソロキャンプにタープはいらない”と考えていたのだが、これは食わず嫌いであったと反省している。

 本記事では、一見すると余計にも感じる“タープ”というギアついて、ソロキャンパーの視点からその便利さを解説する。タープを導入していないソロキャンパーや、ソロキャンプを始めたいけどタープが必要かどうか迷っている人の参考になれば嬉しい。

■ソロキャンプデビューの時にタープを購入しなかった理由

テントだけで楽しむソロキャンプの様子(写真:るあらび)

 一番の理由は、やはり敷居の高さにあったと感じている。当時はタープを張るためには難しい技術が必要だと誤解しており、この点が大きな参入障壁となった。

 また、タープの形状についても、長方形、ひし形、五角形、六角形など種類が多く、どれを選べばいいのかよく解らずに困惑した。

 しかし、タープ設営は慣れの問題であり、技術は必要であっても、特殊な才能はいらない。また、形状が多いという問題についても、これはタープというギアの自由度の高さの裏返しであり、選ぶ楽しみを与えてくれるという意味ではメリットでもある。

■タープを導入してからソロキャンプはこんなに変わった!

 以下のようなシチュエーションでは、明らかにタープ有りのソロキャンプの方が一人の時間を快適に過ごせると感じている。

●小雨のソロキャンプ

 筆者は小雨がぱらつく程度の天候であれば、むしろ喜んでソロキャンプに向かう。少し寂しげな独特の雰囲気が好きなのだが、そのような天候の場合に面倒なのが撤収作業だ。雨に濡れたテントやキャンプギアの片付けは、どうしても不快感を伴う。

 しかしタープがあれば、テントが濡れる心配も無いし、タープ直下の空間での作業は快適である。濡れる物がタープだけとなる事実は”小雨のソロキャンプを楽しみ尽くす”という意味では大きなアドバンテージなのだ。

●真夏のソロキャンプ

 筆者は二重構造のテントを愛用している。気温が低い時はテント内の保温効果を発揮してくれるが、気温が高い時はフライシートの通気性のなさが仇となり、夏はテント内部が蒸し風呂状態になる。この暑さに耐えられず、”夏はキャンプのオフシーズン”としていた。

 しかしタープを導入してからは、フライシートを外してインナーテントだけをタープの下に設営することで、暑さの問題がかなり改善。真夏のキャンプが苦手という人には、ぜひこの組み合わせをおすすめしたい。

タープにインナーテントを組み合わせた例(写真:るあらび)

●暖かい季節のデイキャンプ

タープで楽しむお手軽デイキャンプの様子(写真:るあらび)

 デイキャンプは宿泊を前提としないキャンプのスタイルであるが、それなのにテントを張ることに違和感があった。また、せっかくの昼間の外遊びなのに、プライベートエリアの開放感が犠牲になることにも不満があった。

 しかしタープであれば、広い空間で開放感を満喫しながら、一人の時間を過ごすことが出来る。このようなメリットに気づいてからは、暖かい季節のデイキャンプはもっぱらタープばかりであり、テントを設営することはほとんど無くなった。